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秋の節分? 11月6日に恵方巻き?

 節分といえば2月3日頃にその年の恵方を向いて海苔巻きをまるかじり、という関西の風習が全国的になって久しいのだが、最近各地のスーパーなどで「秋の節分にも海苔巻きを食べよう」というキャンペーンを見掛けるようになった。
 そもそもこの「節分」とは何か? というと季節の「節目、分かれ目」のことであ
る。馴染み深い2月3日頃の節分の翌日が立春、すなわち立春から暦の上では春が始まる
のだ。
 立春とは古代中国より伝わる季節区分法「二十四節気」の一つで立春の他に立夏、立秋、立冬があり、それぞれの前日は前の季節との分かれ目、すなわち節分ということになる。

 ということは節分は年に四回あるのだが、なぜ立春前日の節分だけがスポットライトを浴びていたのかというと立春前日の節分は他の節分と違って特別な意味を持っているからだ。
 二十四節気は立春に始まり大寒で終わる。
 すなわち立春は一年の初めにあたる日で、立春の前日の節分は旧冬と新春の境目であり一年の最後の日に当たり、単に季節の節目である他3つの節分と違って1年の節目なのだ。

 行事としては平安時代頃より宮中の旧暦大晦日(1月下旬から2月上旬頃)に行われていた旧年の厄を祓う儀式「追儺の儀(鬼を祓う儀式で鬼とは悪霊のこと)」が江戸時代頃には立春前日の節分に炒り豆を撒いて旧年の厄を祓う民間行事として広まっていき、現代まで続いている。

 「節分に海苔巻きをまるかじり」という行事は諸説あるが江戸末期、船場の旦那衆の座敷遊びをヒントに大阪の海苔問屋と鮓組合が、海苔巻きの売上げ増の為のキャンペーンからはじまった、とも言われている。
 海苔巻きを切らないのは「縁を切らない」と言う意味に通じ、一人一本をまるかじりするのは新春前夜の豪華なご馳走ともなる上、家族で数切れずつ分けて食べてもらうよりも、一人一本を食べていただくほうが売上もアップするということだ。
 あの手この手のアイデアで売上げ増を目論むのはいつの時代も同じといえる。11月6日前後の立冬前日の節分は特にイベントや行事がない為、新しいイベントを提唱するにはよい時期なのかもしれないが、果たして「秋の節分」の海苔巻きまるかじりは定着するだろうか…?

(「催旺風水」あーりん 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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