準備は整った。その思いが野村師の顔を柔和する。「ハンデの57kgは想定通り。軽い馬が多少気になるけど、良馬場なら何とかなるでしょう」絶大な自信。その期待に応えるだけの力をカネトシツヨシオーは備えてきた。
前走の福島テレビオープンは強かった。開幕週で先行馬が圧倒的有利な馬場状態。そこで致命的な出遅れを犯した。しかし慌てず騒がず、3コーナーから一気にまくってあっさりケリをつけた。
「相手がそろって、しかも仕上がり途上だった金鯱賞でもソコソコの競馬をしてくれた。だから前回は勝てると思っていたけど、想像以上に強かった」と師も満足げに振り返った。
この中間は七夕賞に目標を定めて調整されてきた。梅雨時の中2週、再度の福島への輸送。日程は決して楽ではないが、そこは抜かりなくやってきた。
「前走の後は、通常通り日曜日に栗東へ戻さず、1日福島に滞在させた。それで体調面は十分ケアできている。調教の動きもいいからね」
1週前追い切りは栗東CWコース。終い重点とはいえ、ラストは11秒台の切れ味を見せつけた。
「今回はこの距離を得意にしている馬が多いけど、こちらが力を出し切れば大丈夫。勝ってサマー2000シリーズ制覇へ一歩進みたい」
1番人気が弱いこのレース。しかし、今年は波乱の芽は開かせない。
【最終追いVTR】Bコースで単走。終始、馬任せの調教だったが、ラストは自らハミを取り、1F11秒5と鋭く切れた。馬体の張り、毛ヅヤの良さは引き続き目立っており、充実著しい。