王道マットに新年早々から政変の大きな嵐が吹き荒れた。
まず最初の嵐は世界タッグ選手権試合で巻き起こった。昨年暮れの「世界最強タッグ」を制した武藤&ジョー組は、TARU&小島の王者組に挑み、武藤が低空ドロップキック、ドラゴンスクリュー、閃光魔術弾などで試合序盤で王者組を一気に追い詰めた。
途中レフェリーの失神でリング上が無法地帯と化すと、イス、鉄パイプ攻撃など凶器を持ち出したVMに苦しめられたが、武藤組も負けじと応戦。ジョーが鉄パイプを奪って真っ二つにすると、武藤が閃光魔術弾でアシスト。最後は武藤が小島を足4の字固めで捕獲したすきに、ジョーがTARUにスパイラルボムを決めて3カウントを奪取。最凶軍団がベルトを持ったことで、黒く染まっていたリングを武藤組が正常化してみせた。
第2の嵐は試合後。ベルト奪還の余韻に浸る間もなく武藤組はVMから暴行を受けたが、そこに現れたのはVMの一員であるはずの諏訪魔。諏訪魔はVMを蹴散らすと、武藤とガッチリ握手を交わし、本隊への復帰の態度を示した。「より良い諏訪魔をコッチも期待してる。本隊の新たなる構築だな」と武藤も王座奪還に加え、本隊の勢力拡大と二重の喜びで喜色満面だった。
一方、世界タッグベルト流出、諏訪魔の造反と、まさに泣きっ面に蜂状態のVM勢も黙ってはいない。とりわけ謀反を企てた諏訪魔には怒り心頭で「オレらを怒らしたらどうなるか自分がよく知ってるだろ!?」(近藤修司)「後でどうなるか分かっててやったんやろ!?」(“brother”YASSHI)。小島も「(出ていくなら)それ相応の覚悟が必要。たたき潰してやる」と制裁を宣告した。さらにVMのリーダーTARUは「一番愛情を注いだのに、許されることじゃないで」とし「ブードゥーのやり方で教えたる。楽しみが増えたってこっちゃ」。VMは諏訪魔もろとも本隊を壊滅すべく、血の大雨を降らせようと目論む。
さらにTARUは不気味な予告もぶっ放す。「寄生したる。本隊に入って会社に不満のあるヤツ引き抜いたる」と諏訪魔にかわる新戦力のヘッドハンティングも辞さない構えだ。
2008年早々の王道マットを襲った嵐はまだまだ収束の気配なし。嵐の後には大きな地殻変動が巻き起こりそうだ。