馬券になったSS系の母父系を見ても、母父がノーザンダンサー系の馬が半数の7頭。ノーザンダンサーのクロスが発生する欧州のスタミナ指向の馬が多い。
阪神の芝1600mで、瞬発系のSSよりも、スタミナ系のSS産駒が走るのは、一瞬で1ハロン10秒前半のタイムを出すような能力ではなく、11秒前半のタイムを持続できる距離の長さを競うコースだから。ある程度のスピードを出すためにSSの血は必要だが、スピードの質を持続型にシフトするには欧州の血が重厚に入っていた方がいいのだろう。
本命はカタマチボタン。父はダンスインザダーク。欧州指向のズブいSS系産駒だ。
カタマチボタンは、重厚な血統のマイラーのため、11秒前半のタイムを持続し続ける能力は極めて高い。メンバーが強くなるほど、要求されるスタミナ量は豊富になる(要求される持続距離が長くなる)のも本馬には好材料だ。
ダンスインザダーク産駒というと、長距離馬を出すイメージだが(実際それは間違いではないが)、実は牝馬は2000mを超えるGIで連対したことがない。
牝馬が長距離で馬券になるには、瞬発力を生かす必要があるのだが、ダンス産駒にはそれがないために、長距離よりもペースが厳しいマイルで、スピードの持続距離勝負に持ち込むしかないためだ。
ダンスインザダーク産駒は、SS産駒なき今年は、例年より産駒のレベルが高いはず。3冠レースで最も適性が向く本レースで狙いたい。
相手は人気馬3頭。ただでさえ人気馬が走りやすいコースだ。