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「読書習慣はない」日本人は6割 ある発想の転換で、誰しも本好きになる?

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 今年も10月に入り、夏の蒸し暑さはなくなり心地良い秋の乾いた風が漂う季節となった。本を読むのに快適な季節と言えるが現代、新聞も小説も読まないという人は少なくないようだ。

 株式会社クロス・マーケティングが15歳〜69歳の男女1200人を対象に読書に関するインターネット調査を実施(調査期間:2017年10月18日〜19日)したところ、「読書習慣はない」と回答したのは60.6%。およそ6割が“本を読まない”という驚きの結果となった。その理由として、「忙しい」が40.7%と最も多く、「読みたいと思う本がない」が22.4%、「他の趣味の方が面白い」21.2%と続いた。この結果からだけでは、現代人は本に魅力を感じていないように見える。

 しかし、「忙しい」「読みたいと思う本がない」「他の趣味の方が面白い」人たちは、本当に“本”を読んでいないのだろうか。開成中学・高校の柳沢幸雄校長は、9月5日に発売された『プレジデントFamily2018秋号』の特集「東大生192人 頭のいい子の本棚」の記事の中で「小学生時代はまったく本を読まない子供だった」と告白。大切なのは「楽しんで読んでいるのか」ということであり、きっかけは文学作品でなくとも「漫画だって、ゲームの攻略本だって立派な読書」だと持論を述べている。つまり、漫画の読者も立派に読書をしているということである。柳沢氏は、過去に東京大学やハーバード大学で教鞭をとってきた知的エリートなだけに“目から鱗”の言葉だ。

 また、アンケートの回答にも多い「読みたいと思う本がない」「他の趣味の方が面白い」といった、本に対するマイナスイメージはどこから来ているのだろうか。ライフネット生命保険の創業者であり、現・立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏は、2017年に開催した著書『教養は児童書で学べ』の出版トークイベントで「基本的にベストセラーはトンデモ本」だと驚きの発言をしている。その理由として「5年後に書店に残っている本はほとんどない」という点と、「どう考えても全部嘘」という実用書が多い点を挙げ、だからこそ“売れる”のだと語った。出口氏自身は興味のありそうな本を手に取っても、10ページ読んで面白いと感じなければすぐに見切りをつけ読むのをやめてしまうという。つまり、本に魅力がないのではなく魅力のある本に出合いにくいということだ。読書とは出口氏にとって「人の話を聞くことと一緒」だと語っていることからも、本は人間力を高めるための1つのツールだという考え方をしているのだろう。

 いずれにしろ固定概念を外し、本を“娯楽の1つ”と感じることが大切だということだろう。柳沢氏が言うように漫画でも攻略本でも、まずは本を手に取ってみれば新しい世界が広がるのではないだろうか。

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