中でも最も注目されているのが“通天閣の歌姫”叶麗子を中心に『道頓堀ZAZA』で12月19日からスタートした「道頓堀SUPER歌謡劇場」。叶は『通天閣歌謡劇場』存続運動の中心だっただけに、新劇場には思いもひとしおで、「一度は引退を覚悟した私です。生まれ変わった気持ちで、この劇場で勝負します」と涙ぐんだ。
「『道頓堀ZAZA』ではすでに昨夏から『道頓堀歌謡onステージ』が公演を開始し好評を得ている。また、松竹芸能も『角座』で祝日に歌謡劇場を開催し、若手や実力派を起用して賑やかな公演を行っている。さらに今年2月からは、道頓堀からほど近い周防町で歌手・若松秀彦を中心とした『心斎橋BASSO歌謡ショー』が始まる。これでこの界隈には四つの歌謡ショーが揃い、興行街復活を目指す地元としては明るい材料になっています」(地元記者)
しかし一方では、「劇場間の競争激化は一時的なもの」との見方も多いという。
「四つは多すぎる。小さいのが四つよりも、檜舞台が一つの方がいいのでは。しかも今は、歌い手の都合で公演日程などを動かしている向きもある。いずれ淘汰されるでしょう」(劇場プロデューサー)
「今の道頓堀には、まだそこまで歌謡曲のファンがいるとは思えない。歌手が自分のファンに切符を買ってもらうのにも限界がある。新たな客層を最初に開拓したところが生き残る」(興行関係者)
また、『道頓堀歌謡onステージ』を主宰する林健二氏は「劇場ごとの個性を出していければ共存共栄でやっていける。それが地域の盛り上がりに繋がると思います」と語っている。
淘汰か共存か。道頓堀界隈の歌謡劇場に注目だ。