行方不明だった女性の遺体が発見された6月25日、捜査関係者の一人はこう語った。
神奈川県相模原市緑区の霊園の土中に遺体を埋めたとして、同日に警視庁捜査一課は東京都渋谷区の飲食店アルバイトの男性容疑者A(29)と、静岡県富士市の農業手伝いの女性容疑者B(23)を、死体遺棄容疑で逮捕した。
「翌日の司法解剖で、遺体は一昨年7月から行方がわからなくなり、昨年12月に親族から捜索願が出されていた新宿区に住む阿部由香利さん(当時25)と判明。それまでの捜査で、阿部さんが失踪当時に交際していた容疑者Aと、もう一人の相手だった容疑者Bがすでに浮上していたのです」(全国紙社会部記者)
6月に入り何度かの事情聴取の末、容疑者Bが霊園の一角に埋めたことを自供。特定された遺棄現場は、容疑者Aと関係の深い場所だった。
「そこは母方一族代々の墓石がコの字型に並んだ所。その中央が遺棄現場だったのです。彼には土地勘があるばかりか、彼所有の車のナビには阿部さんが遺棄された当時、この場所へ何度か行った履歴も残されていたのです」(捜査関係者)
容疑者Aは、会社役員の父親と元ラジオ局アナウンサーの母親との間に生まれ、現在は弟と4人暮らし。
渋谷区の自宅は、東京・代々木上原駅近くの都内でも屈指の高級住宅街に建つ鉄筋コンクリート3階建ての豪邸だ。
「不動産関係者によれば、その辺りは坪単価400万円で、約5年前に建て替えたという上物を合わせれば4億円はくだらない邸宅だそうです。容疑者Aは高校を出た後、実際は喫茶店などのアルバイトを転々とする身だったが、夕方の時間帯になると高級スーツを身にまとい外出。芸能関係者を装い携帯電話片手に大声で業界用語っぽいことを喋っている姿が、近隣住民に度々見掛けられていた。本人はサマになっていると思っていたのでしょうが、近所では単なる変わり者扱いだったようです」(前出・記者)
一方の容疑者Bは、犯罪に手を染めるのが不似合いな“お嬢様”育ちだ。
容疑者Bの知人が語る。
「容疑者Aと交際していた当時は、お嬢様大学として知られる白百合女子大学の英語英文学科に通い、映像制作やアナウンス練習をする放送研究会に入っていました。富士市の実家は裕福な茶農家で、借りていた世田谷の部屋は1LDKで家賃が月14万5000円の高級マンション。月々の仕送りも50万円ぐらいあったとかで、リッチな女子大生生活を満喫していましたよ」