この日の最高額1億5500万円で落札されたのは「ラスティックベルの2007(牡、父アグネスタキオン)」。ラスティックベルは現役時、重賞を4勝した名牝・フサイチエアデールの母で、エアデールの代表産駒フサイチリシャールの祖母にあたる。
購入したのは株式会社ジェイ・エイチ・エス。「ラスティックベルの2007」を生産したノーザンファームの秋田博章場長は「この血統の中では抜けている馬。タキオンというよりもサンデーサイレンスに近い柔軟性があり、筋肉もしなやか」と大絶賛する一頭だ。
そして、2番目の高額馬は、そのラスティックベルの孫でリシャールの全弟「フサイチエアデールの2007(牡、父クロフネ)」。1億3500万円で競り落とした(有)ローズヒルは初日(1歳)に「フサイチエアデールの2006(牡、父クロフネ)」を1億4000万円で競り落としており、全兄弟2頭をダブル購入した。
「フサイチエアデールの2007」を管理する予定の白井師は「雰囲気がいいね。いやあ、こんな高額だとしびれるわ。マイルぐらいまでは持つと思う」と期待を寄せた。
ところで、この2頭…。初日、2日目と話題を独占した近藤利一氏が落札した高額馬とは共通点がある。それはノーザンファームの生産馬ということである。
近藤氏が3日間で購入した21頭中18頭が実にノーザンF生産馬。近藤氏は「とにかく今年の生産馬はデキがいい」と手放しで褒め、秋田場長も「予定通りのセリだった。3日間で全頭が完売するのは今までで初めて」と目を丸くするほどだ。
この日をもってセレクレセールは全日程を終了した。今年の主役は近藤氏でもラスティックベル一族でもなく、ノーザンファームだったといえるかもしれない。