どのような成績をもって“結果”とするのかは、人それぞれ考えがあるだろうが、筆者は全15日間を8勝7敗以上の成績で勝ち越すことが、最も分かりやすい結果であると考えている。勝ち越しを決めた力士は基本的に番付が落ちることはなく、勝ち数の多さによって次場所の上げ幅も左右されるからだ。
1つでも上の番付にのし上がるための“絶対条件”でもある勝ち越し。では、ここまでの4場所において、力士たちはどれだけの勝ち越し回数を記録してきたのか。それぞれの場所で幕内に在位した力士の中で、勝ち越し1回以上を記録した40名を対象として順に見ていきたいと思う。
勝ち越し1回となっている力士は白鵬、阿武咲、北勝富士、嘉風、琴奨菊、正代、荒鷲、隠岐の海、宝富士、千代翔馬、千代の国、千代丸、石浦、旭大星の14名。相撲に明るくない人からすると、歴代最多40回の優勝を誇る白鵬が含まれているのは意外なところだろう。
勝ち越し2回を記録している力士は貴景勝、千代大龍、栃煌山、大翔丸、輝、大栄翔、阿炎、錦木、大奄美、妙義龍、佐田の海の11名。気鋭の若手からベテランの実力者まで、バラエティ豊かな面々が顔を揃えている。
1回と同じ人数である、14名が名を連ねているのが勝ち越し3回。鶴竜、豪栄道、高安、栃ノ心、御嶽海、玉鷲、遠藤、勢、魁聖、松鳳山、豊山、竜電、朝乃山、碧山がそれぞれマークしている。
そして、対象力士の中で唯一勝ち越し4回を記録しているのが逸ノ城。今後もこのような安定感が維持できれば、大関や横綱といった地位も十分に狙えるようになるだろう。
以上が、ここまでの4場所における各幕内力士たちの勝ち越し回数だ。果たして、今後の2場所でこれらの数字はどう変動していくのだろうか。そして、逸ノ城は全6場所での勝ち越しを果たすことはできるだろうか。
文 / 柴田雅人