一般的にキャバクラで働いている女の子たちの年齢は20代後半。平均するとだいたい25歳くらいだという。54歳ということは彼女らの平均の倍を越えているし、下手したら子供どころか孫までいるような年齢である。「おいおい、本当にそんなキャバ嬢いるのか?」とつい突っ込みたくなるが、どうやらマジでいたらしい。
聞くところによると54歳のキャバ嬢は関東のキャバクラを転々とし、3年前までは千葉県の某店に在籍していたという。筆者はさっそくそのキャバ嬢が在籍していたという千葉県某店のボーイさんに取材を申し込んだ。
「54歳のお嬢さんですか? うーん、54歳だと噂されていたお嬢さんの話なら知っていますが…」
そのボーイさんは実際に一緒に働いていたという。
「最初は30後半くらいの方かと思ったんですよ。顔の皺もないし、体つきも、まあ一般的な感じで。なかなかの美人だったと思います。ただ、雰囲気が妙に落ちついていたというか…ただものじゃ無かった気がします(笑)気配りはもの凄いし、言葉の一言一言に重みがある。印象的な人だったですね。 でも今、考えてみるとその人は源氏名が『華連(かれん)』という渋い名前だったり、話す内容も政治とか子育てとかの堅い話ばっかりで…でもまあ、ハマる人にはハマるので人気は中くらいだったと思います」
しかし、体つきも顔も若々しく、30代に見える人物なのに、なぜ『54歳』という具体的な数字が出てきたのか? さらに取材をすすめるとボーイはこう証言した。
「ある日、僕のボーイ仲間が新鎌ケ谷で買い物をしていた時に偶然、華連さんと会ってしまったようなんですよ。そいつの話ではなんと、華連さんの隣に顔のそっくりな20代くらいの女性がいて、さらにその女性の手には小さい赤ん坊がいたとか…」
なんと! 54歳キャバ嬢は子供どころか孫持ちだったのだ!
「その後、そいつは管理人室でこっそり華連さんの履歴書を見つけたところ『1955年』と書いてあったとか言っていました。でも、そのボーイももういなし、華連さんも2年前に店を辞めてしまいました」
残念なことに今となっては、消息はわからないという。
「不思議な方だったんですけど、本当に世話好きで明るくて良い方でした。でも、体力的にはやはり限界がきていたようで、休憩時間中は『腰が痛い』とか常につぶやいていました。お金にもかなり苦労していたようなので、みんなあえて年齢には触れてあげませんでした。出来ることならもう一度会ってみたいですね」
取材に応じたボーイはそうつぶやいた。千葉の店を辞めてから3年。華連さんは57歳となった今でも キャバクラの第一戦にいるのだろうか…。
(和田大輔/山口敏太郎事務所)