痛恨の出遅れ、さらに4角付近でブエナビスタに前をカットされるロスがありながら、最後は物すごい手応えで突っ込んできた。それも単なる不利ではなく、「数秒間立ち上がる」(田代助手)ほどの致命的な不利だった。同助手が「まともなら突き抜けていた」というのも決して負け惜しみではない。直線でいったん、馬を立て直しながらもマークした上がり3F34秒3はブエナビスタと同じ数字だった。
田代助手は「最後まで際どく迫っていた。センスだけじゃなく、勝負根性もあることが分かったのは収穫だった」と話す。
レースで不利を被った時にトモを滑らせたため、レース後、3日間は休養にあてる誤算こそあったものの、4日の1週前追い切りは終い重点で坂路800メートル55秒7、ラスト1Fは12秒7の鋭さだった。
騎乗した鮫島騎手は「ダメージを心配していたが、むしろ、前回より動きは良くなっている」と満点評価。田代助手も「筋肉痛はすぐ回復した。もう今は心配ない。万全の仕上がりだよ」と笑顔をいっぱい。さらに同助手が続ける。
「春はクラシックに乗せようと、無理なローテだった。それでも万全な状態じゃないなかでオークスは4着。今は狙っているレースが使える」
内回りと違って、今回の京都外回りはまぎれのないコース設定。今度こそ白黒がハッキリする絶好の舞台といっていい。陣営の目的はただひとつ。力でブエナビスタをねじ伏せることだ。
【最終追いVTR】坂路で鮫島騎手を背に800メートル53秒0→38秒9→12秒8。ぬかるんだ馬場を苦にすることなく、一糸乱れぬフットワークで駆け上がった。トモの踏み込みもしっかりしていて、状態は高いレベルで安定している。