好きな季節がやってきた。メイショウサムソンが上々の仕上がりでグランプリ制覇に挑む。
「冬場はカイバを食ったり、食わなかったりだけど、この時期は本当に体調がいいね」と高橋成師は笑みを浮かべた。その通り、1週前は武豊を背に栗東DWコースで破格の1番時計をマークしてみせた。
昨年を振り返り同師は「あの時は天皇賞の疲れが抜けずにガタガタ。正直、使えるような状態じゃなかった。それから驚異的な回復力を見せて2着してくれたんだから」とうなずいた。
その点、今年は同じローテーションでも中身がまったく違うという。
「この中間は疲れも見られなかったし、とにかくいいことしか話せないぐらい心配がない。具合がいいんだよ」とまくし立てた。
昨秋の天皇賞から遠ざかっている勝ち星を完全に視野にとらえた。「たくさんのファンに支持してもらったけど、今は本当に楽な気持ちでいられる。それだけ馬が頼もしい」と自信満々だ。
5つ目のGIを制すれば、その先には昨年成し遂げられなかった夢、凱旋門賞への挑戦が待っている。「そのためにも、いい結果を出したい。何とか勝って、フランスへ行きたいね」
強い姿を堂々と誇示して、サムソンは世界を見据える。
【最終追いVTR】武豊騎手を背に、ケイエスユリ(古馬500万)を5馬身先行させる形での最終調整。徐々にエンジンを回転させ、4角で馬体を併せると鋭く反応。残り1Fではひと呼吸入れる余裕を見せ、2段ロケットさながらの伸びを披露した。文句なしの仕上がりだ。