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帝国ホテルは、2004年からホテル初の屋内型ジャズイベントを開催しており、上質なエンターテインメントとして楽しまれている。今年は、複数会場にて着席でステージ演奏をじっくり聴くことと、酒や軽食を楽しみながら自由に回遊することの両方が楽しめるスタイルのフェスとなった。
豪華なアーティストによるスペシャルステージで各会場は大盛り上がりとなったが、テレビでもおなじみのジャズ・ピアニスト高木里代子、ハクエイ・キム、秋満義孝という3世代のピアニストによるスペシャルセッションが注目を集めた。
高木は、2022年から『THE TIME,』(TBS系)にピアノ演奏で出演、同年10月からは月曜日と木曜日にヒット曲のピアノアレンジを披露している。他にも数々の受賞歴や記録、ビキニ姿でのピアノ演奏や、バラエティ番組出演まで、異色のピアニストとして話題となっている38歳だ。
今回は秋満、キム、高木がそれぞれソロ演奏したあと、3人でのセッションステージという構成に。高木は、当日弾き始めるまで選曲を迷っていたというが、ジャズアレンジのショパン『Scherzo No.1 (スケルツォ第1番)』を披露。この曲は、自身のジャズアルバム『The Piano Story』にてピアノ・トリオアレンジでリリースしている。
キムも「日本のジャズの礎を作ってきた」と尊敬を表し、高木も「正しくシンプルに弾くことを教えてもらった」と感謝する、超大御所ピアニスト秋満は、19日でなんと94歳。個性豊かな3人は『メモリーズ・オブ・ユー』、『Autumn Leaves(枯葉)』をセッションし、観客を魅了した。
他にも東京会場には久しぶりの出演となる阿川泰子が、マリーンと共演する夢のコラボレーションが実現。マリーンは『ルート66』など、阿川は『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』など、おなじみのナンバーをソロでそれぞれ披露した後、『サテンドール』を迫力のツインボーカルで聴かせた。
別ステージでは、日本を代表するジャズ・ピアニスト山下洋輔が、ベース・坂井紅介、ドラム・本田珠也、トランペット・類家心平とスペシャルカルテットで登場。オリジナル曲のほか、『アイ・リメンバー・クリフォード』を披露、トランペットを生かすアレンジとなった。各曲に解説や作曲のいきさつなども交え、観客を釘付けにしていた。
フェスの締めくくりとなるファイナルは、出演者全員が集まり、ホストバンドであるスインギー奥田&ザ・ブルースカイオーケストラとともに華やかなステージを披露。心配されていた台風直撃も避けられ、大盛況のフェスの締めくくりとなった。