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「おぐらが斬る!」SNSの攻撃性と危険性 付き合い方にご用心

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いまやLINE、ツイッター、インスタグラム、FacebookといったSNSを利用している人は8割を超えるという。

その中には、普段とは人が違ったように攻撃的になり、デマ、誹謗中傷を書き込む人もいる。SNSは匿名性が高いので、顔バレせずに言いたいことを言えるかららしい。

心理学に『フラストレーション(欲求不満)攻撃仮説』というものがある。これは、欲求不満状態になると、人間は攻撃的になるという説だ。

とはいえ現代社会に生きている我々は、欲求不満状態に陥ったからといって、いちいち怒りを爆発させていると、人格を疑われてしまう。そこで欲求不満解消に顔が見えないSNSで怒りをぶつけているのだという。

ちなみに過去の歴史で欲求不満がなかった時代など一度もない。では過去と現在との違いは何かというと、ネットによる過剰なまでもの情報過多。そしてネット、特にSNSは歴史上はじめて、一般人が全世界に自分の思ったことを発信できる時代になったのだ。

当然、テレビや新聞、雑誌などで活躍している有名言論人も、SNSで気軽に自分の意見を出す。テレビ・新聞・雑誌だと、編集者などがあまり偏った意見や過激な意見になり過ぎないように調整するが、SNSなどネットの世界では、誰にも邪魔されずにいいたいことが言えるのだ。

結果、有名な言論人でもこれまでなかったような、下品で過激な言葉で、自分と考えが違う相手を攻撃するような人も出てくるようになった。

いまやSNSという空間は、自分と意見が違う相手や気に入らない人に対して「何を言ってもいいんだ」という空気が出てきた、

そして変わったことをやってウケようとする「バイトテロ」「バカッター」「寿司ペロ」などを行う人が出てきた。

彼らのほとんどは、特に攻撃的なわけではなく、自分の意見を主張するような人たちではない。自分のフォロワーに一つでも多く「いいね」をもらえれば、自己承認欲求や自己顕示欲が満足できるような人種で、自分が面白半分でやった行為が、お店などに莫大な被害を与えるということも想像できない頭脳の持ち主たちだ。

SNSがない時代にも、お店などでイタズラをするという店員や客はいた。しかしそれはほんの数人の友達だけの間で完結していたのだ。

それがSNSの誕生とともに、拡散・炎上という機能がついた。

軽い冗談やイタズラのつもりで「バカッター行為」をSNSに上げ、それを見つけた人が執拗に叩く。「こんな奴はもっと懲らしめてやれ」と正義の怒りを燃やして、住所や職場、学校まで調べる人も出てきた。

SNSの登場は、世界中の人がいろいろな自己主張が行いやすくなり、SNS前と違う世界になった。

SNSの世界は上手に付き合えば、すごく楽しい世界だ。しかし一つ間違えば、ストレス発散のつもりが新たなストレスの原因になったり、攻撃的になることで、傷つけあうことになりかねない。

付き合い方に、ご用心ご用心。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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