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巨人・原監督、連夜のスクイズは春季キャンプの成果? 中継ぎ復調も采配に好影響か

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原辰徳監督

 巨人の先制点は「スクイズ」だった(6月14日)。2回裏一死満塁、バッターは先発投手の戸郷翔征、原辰徳監督はスコアボードに「1」が刻まれた後、ニンマリと笑みを浮かべた。

 「巨人らしくない作戦」だと思った。

 理由は簡単だ。巨人は、ホームランのチームでもある。同試合終了時点でのチーム総本塁打数「72」は12球団トップ、そんな一発攻勢のチームが試合序盤の2イニング目に「小技のスクイズ」を選択したのだ。

 「ピッチャーに適時打を期待することはないと思います。でも、今までの巨人なら、併殺打を恐れ、『三振して来い、次打者の1番・坂本勇人で勝負』と指示していたかもしれません」(球界関係者)

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 戸郷が転がした打球を処理したのは、西武先発のエンス。スンナリ決まったところから、西武バッテリーが無警戒だったことが分かる。

 「何でだろうね、ビックリしたね」

 試合後、原監督は意味シンな笑みを浮かべたが、スクイズを選択した真意は教えてくれなかった。

 「13日の同カードでも、大城卓三にスクイズを決めさせ、追加点を挙げていました。大城は5番バッターですし、西武バッテリーの頭には『スクイズ』はありませんでした」(スポーツ紙記者)

 2戦連続でスクイズの小技が勝敗の明暗を分けた。

 「巨人には長打力のあるバッターがたくさんいます。一度、火が点くと大爆発する可能性も秘めていますが、一方で淡白なイメージもあり、いくら打っても相手チームは脅威を感じないそうです」(前出・同)

 もっとも、原監督は主力バッターにも「送りバント」のサインを出す指揮官でもある。しかし、攻撃が「淡白なイメージ」があるせいだろう。相手チームは「バント? やるならどうぞ」で簡単に決めさせてきた。

 ホームランの可能性を秘めたバッターとの勝負がなくなるからだ。「走者を一つ先の塁に進めても構いませんよ。その後、失点につながっても、それは結果論。こちらにはダメージは残りませんので」。相手チームはそんな心境だったそうだ。

 「同じバントでも、点に直結するスクイズに変更されたことで、今後、相手バッテリーが抱くイメージも変わってくるかもしれませんね」(前出・同)

 また、同日の試合を見たプロ野球解説者がこんなことも話していた。

 「リリーフ陣に立て直しができたからですよ。今なら、1点差でも逃げ切れると原監督が考え始めたんです」

 キャンプ中のアーリーワークが思い出される。早朝7時からガンガンにバットを振り回していたシーンは有名だが、アーリーワークには「バント練習」もあったのだ。10種類の試合場面が想定されていて、「どういう結果が欲しいのか、そのためにはどの方向に打球を転がせばいいのか」を考えさせながら、バント練習をノルマ化していたのだ。

 このスクイズもアーリーワークの効果だとしたら…。取材する側も辛かったのだから、巨人ナインはキャンプ中の苦労が報われたと実感しているはずだ。連日のスクイズは「価値アリ」だ。(スポーツライター・飯山満)

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