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「おぐらが斬る!」単独テロ、木村容疑者と山上被告の共通点

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岸田総理に向けて爆発物を投げ込んだ木村隆二容疑者と、安倍元首相暗殺の山上徹也被告が、ネット上で「似ている」と、話題になっている。この話題はいまのところ、容姿や雰囲気が似ているというものが主だが、彼らには他にも共通点がある。

仲間がいないことだ。

過激派などテロ組織に属さず、単独でテロ行為を行う人物を「ローン・オフェンダー」型(単独犯型)、というが、今回の木村容疑者も、安倍元首相暗殺の山上被告も、いまのところローン・オフェンダー型と考えられている。

彼らは誰に命令されるでもなく、自分で計画し自分で武器を用意して犯罪を行う。

ローン・オフェンダー型の犯人で共通するのは、社会からの孤独と孤立。
一見すると内向的で大人しい性格が多いといったところだ。

この2人は、犯行後抵抗することもなく、無気力な感じで捕まっている。犯行後抵抗しようとか逃げようなどとは思っていないところも共通している。

単独テロ犯に限らないが、『法務総合研究所研究部報告50 第3章 無差別殺傷事犯の実態』によると

無差別殺傷事犯は、友人は少なく人間関係は希薄。
犯行時の1カ月の収入は全くない者は、調査対象の52人中31人。10万円以下の者が9人であった。

木村容疑者も山上被告も、これまで目立たず報われない生活をしており、失うものが何も無い「無敵の人」であったというのも共通点だ。

安倍元首相を暗殺した山上被告は、統一教会と政治の繋がりを暴く結果となり、山上被告の目的はほぼ達せられたと言っていい。

岸田首相襲撃の木村容疑者は、昨夏の参院選に立候補しようとしたが、30歳に達しておらず、供託金も用意できず立候補できなかったため、国を提訴したが棄却されている。

今回の岸田首相襲撃は、この選挙制度への不満という政治目的を、国民に訴えるために行ったのか? どうもそんな意図はいまのところ感じない。

安倍元首相暗殺のときは、極端な思想の人が、山上被告を支援するなどして賛同者がいたが、今回の岸田首相襲撃に賛同する人はいないのではないだろうか?

木村容疑者の背景や真意はまだよくわかっていないが、政治イデオロギーよりも、安倍元首相暗殺に刺激を受けて、自分の自己承認欲求を満たしたいがためのモノマネ単独テロのような気がするのだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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