同書の著者の伊藤喜之氏は、22年8月まで朝日新聞のドバイ支局長を務め、退職後は作家として活動。3月17日発売の同書は伊藤氏初の単著で、参議院から除名処分となり逮捕状が出されたガーシーこと東谷義和容疑者のドバイでの生活ぶりに密着した内容だ。
同社は公式サイトで、《本社が著作権を有する原稿や退職者による在職中の取材情報の無断利用、誤った認識や臆測に基づく不適切な記述などの問題が認められたことから、著者である弊社元ドバイ支局長伊藤喜之氏と発行元の講談社に対し、厳重に抗議するとともに、相応の対応を求める書面を送付しました》と公表。
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また、《退職者が在職時に職務として執筆した記事などの著作物は、就業規則により、新聞などに掲載されたか未掲載かを問わず、本社に著作権が帰属する職務著作物となり、無断利用は認めていません》などと抗議した理由を説明し、《伊藤氏と講談社に対し、自主的に誠実な対応を取るよう求めています》とした。
それに対して伊藤氏は自身のツイッターで、《朝日新聞社から抗議を受けました。取材情報の利用には正当な理由があるため、講談社と粛々対応いたします。『誠実な対応』って朝日に私が求めてたものだよ。悲しいね》と反論したのだが……。
「講談社としては厄介な問題だが、伊藤氏は昨年2月に、ガーシー容疑者がユーチューバーとしての活動をスタートさせた時にはすでに取材をスタートさせているが、その際の現地での滞在費などの経費は朝日が支払っている。会社の経費を使って本を出されて金もうけされたら、たまったものではないだろう。とはいえ、同書の発売初週の売上げは5000部ほどで、ヒットにはほど遠い数字だった」(出版業界関係者)
同書を巡る今後の展開が注目される。