「スコアは4対2でしたが、両軍合わせて16安打の乱打戦となりました。新庄監督や首脳陣は『投高打低』の試合になると思っていました」(関係者)
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新庄監督は練習後の囲み会見で「しっかり振り込んできてくれた」と野手陣を褒めたが、この先、状態を見極めなければならない投手もいた。5年目の吉田輝星投手だ。
オフは楽天・則本昂大投手のもとで学び、周囲の期待も高かったが、この日のピッチングは“脱力”。意識して力を抜いていたようだったが、その分、球速もボールの回転数もダウンしてしまった。
“投手陣全体”の感想として、新庄監督は「この時期は142、143キロ。十分」と語っていたが、阪神から移籍の齋藤友貴哉投手が僅か1球で故障降板するアクシデントにも見舞われた。
「齋藤はクローザーを争う予定でした。投げ終わったのと同時に右ヒザ周辺を気にし始めました。明日(2月2日)、病院に行くと聞いていますが」(スポーツ紙記者)
診断の結果如何では、吉田が救援に回る可能性もある。
嬉しい誤算もあった。ドラフト5位ルーキー・奈良間大己内野手(立正大)が、「足」でアピールした。3回表に出塁すると、ディレードスチールを成功させたのだ。
普通の盗塁ではなく、投手が投球動作を行っていない時に仕掛けるもので、奈良間は捕手が味方投手に返球しようとしたタイミングで、一塁からスタートダッシュを切った。
新庄監督の会見によれば、「試合はノーサインで進めていく」と選手たちに伝え、攻守ともに自身の判断でプレーさせたという。「野球脳を使って…」と語っていたが、奈良間は“野球センスの高さ”もアピールできたようだ。
「奈良間は『紅組のショート』で出場しました。ショートのレギュラーは上川畑大悟選手で決まりといった雰囲気でしたが」(プロ野球解説者)
セカンドのレギュラーが予定されていた加藤豪将内野手も、キャンプイン直前に右人差し指を骨折するアクシデントに見舞われた。前日は短い距離でゴロ捕球だけをする練習をしていたが、骨折となれば長引きそうである。
“代役”石井一成内野手が3ランホーマーを放ち、しっかりアピールできたので、日本ハムの二遊間はレギュラー争いの激戦区になるかもしれない。
奈良間は2018年の夏の甲子園・静岡県大会で「22打数18安打、打率8割1分8厘」と、驚異的な数値を残している。
当時からムードメーカーであり、紅白戦でも声を出すなど“新人らしからぬ一面”も見せていた。
「ナマラくんだっけ? 良かったよね」
会見で新庄監督が言い間違い、報道陣に「ナラマです」と正されていた。投手陣の調整の遅れは気掛かりだが、新球場のスター候補は見つかったようである。(スポーツライター・飯山満)