報道によると、高村委員長は会見の中で貴景勝について「相当の成績で優勝ということになれば(相撲協会から)諮問もありうるべし、という話だった」とコメント。来年1月場所は成績次第で横綱昇進の可能性がある、いわゆる綱とりの場所になるという見解を協会側と共に確認したことを説明したという。
貴景勝は先の11月場所(同月13~27日)で「12勝3敗」と好成績をマークし、平幕の高安・阿炎と共に優勝決定戦へ進出。決定戦では阿炎に敗れ優勝を逃したものの、協会・横審は横審の内規で定められている「大関が2場所連続で優勝、もしくはそれに準ずる成績」という横綱昇進条件に該当するという考えのようだ。
>>大相撲、大関・貴景勝の逃げ腰相撲に「恥ずかしくないのか」と批判 格下逸ノ城に変化・のど輪連発し呆れ声<<
高村委員長が言及した貴景勝の綱とりについて、ネット上には「優勝同点だから準ずる成績には十分値するな」と納得の声が上がったが、中には「確かに優勝手前まではいったが、だからといって来場所綱取りは時期尚早ではないか」、「今年1年大した数字残してないのに甘すぎる、来場所全勝でもふさわしくないだろ」、「照ノ富士みたいに圧倒的な成績を残してるわけでもないのに」といった反対意見もあった。
「角界では2場所連続優勝はせずとも横綱昇進を果たした力士は少なからず存在し、直近では2021年5月場所で優勝(12勝3敗)、翌7月場所で優勝次点(14勝1敗)を記録した照ノ富士が7月場所後に昇進しています。照ノ富士の場合は7月場所で全勝優勝した横綱・白鵬(現宮城野親方)と千秋楽まで優勝を争ったことに加え、2020年7月~2021年5月場所の直近1年間も優勝3回、優勝同点1回、優勝次点1回とほぼ優勝に絡んだ安定感が評価され、ファンの間からもほとんど異論は上がりませんでした。一方、貴景勝は今年1年間は優勝0回、優勝同点1回、優勝次点1回とそれほど優勝に絡んでいないこと、年間勝ち数も50勝(1場所平均約8.3勝)にとどまっていることなどから、11月場所を綱とりの起点にするのは無理があるのではと首をかしげているファンもいるようです」(相撲ライター)
ファンの間では賛否が分かれている貴景勝の来場所綱とり。一部からは「照ノ富士が休場多い(今年は6場所中3場所休場)からって後釜作りに焦ってないか」という指摘も上がっているが、その照ノ富士以来となる横綱誕生は果たして実現するのだろうか。
文 / 柴田雅人