2006年から17年間にわたる放送となった『スッキリ』は当時、暴力的な笑いを得意としてきた極楽とんぼ・加藤浩次が司会ということで視聴者からも非難の声もあった。だがふたを開けてみれば、真面目で実直な加藤の性格が世間に受け入れられ長寿番組化した。
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17年の歴史の中で、加藤は相方・山本圭壱の未成年淫行疑惑について号泣しながら謝罪したほか、2019年のお笑い芸人の闇営業問題では当時所属する吉本興業に対し抗議し、今度は加藤自身が吉本を退所するなど当人自ら話題を振りまくことも多かった。
その一方、本職のお笑い芸人が司会であることから、生放送中に発生した予想外のハプニングを瞬時に「笑い」に変える技術はさすがだった。今までに数々の伝説も生み出している。
なかでもとりわけ加藤らしいと言われているのが、2013年2月11日に発生した「ふなっしー相撲事件」であろう。
当時、ジワジワと過熱しつつあった「ご当地キャラブーム」を取り上げた『スッキリ』。この時点ではあまり知名度の高くなかったふなっしーをゲストに呼び、スタジオでインタビューをした。
ふなっしーは当時から独特のハイテンション芸が健在。スタジオを暴れ回り、当時『スッキリ』レギュラーだったテリー伊藤から「なんか変な薬飲んでない?」とツッコまれていた。
その中でふなっしーと加藤が相撲をとることになり、テリーが行司を務めた。ここで「狂犬」加藤の心に火がついたのか、加藤はふなっしーを思い切り放り投げ、ふなっしーは机に頭を強打してしまった。一歩間違えれば大けがになってもおかしくない事故だったが、ふなっしーは「軽く脳しんとうです」とつぶやき、無事であることをアピールした。
あまりの衝撃的展開にスタジオからは大きな悲鳴が上がり、面白がった視聴者がその動画をネットに拡散したところ、空前の「ふなっしーブーム」が起きることになった。
なお、後年ふなっしーが明かしたところによると、当初は安全に配慮して床にマットが敷かれる予定だったが、CM中に「ふなっしー、お前マットいらねぇよな?」と加藤から言われマットを片付けたのだという。
『スッキリ』終了まで半年。果たして新しい「伝説」は生まれるのか?