代わりに10月3日から始まる次の朝ドラ『舞いあがれ!』に、早くも期待が高まっている。その魅力や不安要素はどこにあるのだろうか。『舞いあがれ!』は、福原遥をヒロインとする現代劇。空とパイロットに憧れるヒロインの挫折と再生を描く物語だという。
>>無名の新人女優たちの抜てきがなくなったNHKの朝ドラ<<
現在、朝ドラはNHKの東京と大阪局が半年交代で作っているが、『舞いあがれ!』は大阪。直近の大阪放送の朝ドラだと『カムカムエヴリバディ』『おちょやん』『スカーレット』などが並ぶ。反対に東京は『おかえりモネ』『エール』『なつぞら』。個人の好みによるため甲乙つけがたいが、元来から「大阪局制作の朝ドラは外さない」という定説もある。
キャスティングも、実に“抜かりない”戦略を立てている。さわやかなヒロイン・福原遥はもとより、彼女が演じるヒロインの兄に関ジャニ∞・横山裕、同級生役に乃木坂46・山下美月といった、ファンの母体が強固な役者を配置。
他にもSnow Man目黒連、元欅坂46・長濱ねる、さらには赤楚衛二と、男女の若い層をどちらも離さないキャストを次々と起用している。一方、不安要素もないわけではない。同作はもともと、脚本家・桑原亮子氏が1人で書くことになっていたのだが、6月になり突然、嶋田うれ葉氏、佃良太氏の両名が脚本陣に加入したことが判明。3人体制で臨むことになったのだ。
その背景として何が考えられるのか? 『ちむどんどん』の不評を前に制作体制を見直したのか、それとも、さらなる戦力補強が必要だと感じたのかは定かではないが、どう作品に影響を及ぼすのだろうか。
また『カムカムエヴリバディ』では、100年のストーリーを3人のヒロインで描くという形が受け入れられ、視聴者の満足度も高かった。いわば朝ドラの新しい見方を提示されたわけだ。
『ちむどんどん』も同様だが、今後どこまで、定番のストーリーである「1人のヒロインの成長物語」を半年間も見続けていられるか、作り手側の力量がさらに試される。
そんな『舞いあがれ!』の事前の反応をネットで見ると、作品への期待の声よりも「いい脚本であってくれ!」「早く始まってくれ」といった悲痛な叫びが多い。『ちむどんどん』のフラストレーションが『舞いあがれ!』の質向上につながることを楽しみに待ちたいものだ。