同作はアスリートを中心に描いた「SIDE:A」、アスリート以外を中心に描いた「SIDE:B」の2部構成で、両作品とも6月に公開された。
「内容からして、『SIDE:A』は見てないけど『SIDE:B』だけ見よう、と思う人はまずいないだろう。『SIDE:A』の公開時点で全国各地の劇場では閑古鳥が鳴いていたようだ。東京五輪はコロナの感染防止のために無観客で行われたが、『映画も無観客』と揶揄された。配給は大手の東宝だったが、あまりの不入りに宣伝担当の現場のトップが他部署に飛ばされたようだ」(映画業界関係者)
>>巨額訴訟を起こされたファスト映画、当事者たちにまったく〝罪の意識〟がなかった?<<
河瀬監督といえば、今年の4月と5月には一部メディアで、立て続けに撮影スタッフに対するパワハラ疑惑を報じられたが、その後、その件について謝罪することはなかった。
「性格からして、絶対に謝ることはないと思われていたが、やはりその通りだった。その報道も、少なからず客入りに影響を与えたと思われる」(同)
とはいえ、肝心の内容がイマイチだったようだ。
「『SIDE:A』は、河瀬監督が奈良県出身ということもあり、同県にある天理大学出身の柔道五輪金メダリスト・大野将平ら自分の好きなアスリートばかりを人選。『SIDE:B』では、開閉会式の演出担当だった野村萬斎さんが辞めたり、ほかの担当者が過去の言動が原因で直前で辞任するなど、テーマには事欠かないはずなのに、その部分を描くことはなかったので、観客にとっておもしろい作品のはずがない」(映画ライター)
そもそも、河瀬監督があらゆるコネを使って監督に名乗りを上げた同作品だったが、映画史に残る作品はならなかったようだ。