横浜DeNAベイスターズが阪神にサヨナラ勝ちした。この勢いでヤクルトを止めてくれれば――。そう願う関係者も少なくなかった。
「夏休みの書き入れ時前に優勝争いの行方が見えてしまうなんて、興行的にもマイナスです。1日先発の今永には頑張ってもらわないと…」
そんなエールも多く聞かれた。
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「DeNAの柔軟性」に期待したい。試合前の打撃練習でいつもと違う光景が見られた。午後6時の試合開始に備えて、ビジターチーム、ホームチームの順番で打撃練習が行われるのだが、午後4時を過ぎてもグラウンドに出てくるDeNAナインはまばら。ノックを少し受けて、またベンチに下がってしまった。
「暑さ対策。今日は早出を含めて室内でやらせました」
三浦大輔監督がメディアにそう説明していた。
気象アプリを確認した限りでは、同日の横浜市の最高気温は36・5度。横浜スタジアムのレフトスタンド上空にはまだ太陽があり、容赦なく人工芝のグラウンドを照らしていた。
暑さでダラダラとバットを振るよりも、室内の方が集中できる。そう判断したのである。ビジターの阪神も練習時間を短くするなど工夫していたが、DeNA打線は“室内効果”で、初回にいきなり4点を挙げている。DeNAには、こうした柔軟性な発想があるのだ。
「柔軟性」と言えば、“最後の砦”今永も、ピッチングスタイルを変えてくる可能性が高い。
「今永は今季、ヤクルト戦は初登板となります。昨季は4戦4敗でした。自身の敗戦試合のデータを読み直しています」(球界関係者)
今永と言えば、6月7日にノーヒットノーランの快挙を達成したが、その後は2戦連続で5失点以上と調子を落としている。「調子自体は悪くなかった」と、直近の6月24日の広島戦後に首を傾げていた。
「ノーヒットノーランを達成した時は内角への直球が効果的に決まっていました。でも、その後はその内角球を狙い打ちされています」(プロ野球解説者)
内角球を狙われているのなら、そのウラをかいて外角に変化球を集めるスタイルに変えてくるかもしれない。
「去年、今永がヤクルトの主砲・村上との相性が悪く、打率5割でした。村上は絶好調ですし、勝負しないで歩かせるのでは」(前出・球界関係者)
今永が村上宗隆との勝負を避けるとすれば、ロースコアの試合になる可能性も高い。
三浦監督は攻撃面での作戦は慎重だが、投手継投では選手を信用しすぎて失敗する時もある。今永からリリーフ投手にスイッチするタイミングがポイントとなる。試合前、室内練習に切り換えた柔軟性で、マジックナンバーの点灯を防いでもらいたい。(スポーツライター・飯山満)