「打率2割1分5厘、本塁打5、打点20。本人にとっても不本意な成績であり、首脳陣から再調整の時間をもらったと解釈すべき」(球界関係者)
今回の抹消が不振ではなく、故障を疑ったのにはワケがある。
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まず、中田は試合前の練習で外野ノックも受けていたこと。特にレフトのウォーカーは守備面に不安要素が多い。セ・パ交流戦の残り2カードは埼玉西武、東北楽天で、指名打者制となる。パ・リーグで打点王を3度も獲得した実績を買って、「左翼・中田、DH・ウォーカー」の布陣も予想されていた。
「ライトのポランコも肩が強くありません。交流戦が終わった後も、中田を外野で使っていく案が聞こえていたんですが」(スポーツ紙記者)
日本ハム時代、外野手部門で2度、ベストナインにも選ばれている(2013、14年)。試合前の外野ノックだが、中田自身も楽しんでいるといった雰囲気も伝わってきた。
「若手にも話し掛けたり、自身がベンチスタートとなっても、早いイニングから代打の準備を始めるなどしていました」(前出・関係者)
チームにも馴染んできたようだが、いまだ“不慣れ”なところもある。
「試合の中で調整する機会」が少ないのだ。
スタメン一塁手は、赤マル急上昇中の増田陸(以下、増田)。外野手としての待機組には、機動力も使える立岡宗一郎がいる。選手層の厚さが二軍再調整の時間を与えたと解釈されているが、同時にこんな見方もある。
「巨人は試合の中で調整することができないチームでもあります。実績のあるベテランになると、結果が出なくても、ある程度の期間はスタメンで使ってもらえます。ベテランはその間に調整し、本来の当たりを取り戻していくものですが」(プロ野球解説者)
また、原辰徳監督の中田評も気になる。中田の活躍について質問をする際、どうしても、「日本ハム時代のような」の前振りが出てしまう。すると、原監督は「ワタシは当時のことを知らないんで」と淡々と返すのだ。中田当人を発奮させるためのパフォーマンスだと思われるが、次に一軍昇格する時は、すぐに結果を出さなければ、「現状」は変えられないだろう。
「変える」と言えば、増田が「人生を変えようと思って…」と再び支配下登録を勝ち取るまでの心境を語り、そのコメントがファンの共感を呼んでいる。
「彼の高校時代の恩師が、光星学院高校時代の坂本勇人を指導していたのは有名な話です。恩師や学校関係者たちは増田に期待していたんでしょう。関東地区担当の巨人スカウトが学校関係者に会うと、必ず増田のことを聞かれていたそうです。巨人の育成について“お叱り”もあったとか…」(前出・球界関係者)
応援してくれる人がいる、増田が頑張れた一因だろう。中田も応援してくれる人の期待に応えなければならない。(スポーツライター・飯山満)