「巨人に来てから、人が変わりました。今までは常にグループの中心にいるタイプでしたが、巨人に来てからは相手を立てることも多く、どちらかというと、聞き役に徹しています」(ベテラン記者)
チームは連敗中。同日のDeNA戦を落とし、5連敗を喫したわけだが、こんな情報も広がっていた。
「10日からのDeNA戦は変則日程。新潟県での遠征が1試合(10日)、1日移動日を挟んで横浜スタジアムで1試合。中田の合流は10日ではなく、横浜スタジアムで試合がある12日ではないかとも伝えられていました」(球界関係者)
5月のここまでの7試合で打線が挙げた総得点数は「17」。1試合平均では、約2・4点となる。一発も期待できる中田の合流を急いだということだろう。
もっとも、その中田は3打数2安打と活躍したが、連敗を止めることはできなかった。中田が再登録されたこの日も、打線は「1点」しか挙げられなかった。坂本勇人、吉川尚輝を故障で欠き、打線の低迷は深刻だ。
「中田をスタメンで使えば、好機に強い中島宏之を代打待機させることになります。中島にセカンドを守らせ、2人を同時にスタメン起用する案が浮上してきました」(前出・同)
2019年の巨人移籍以降、中島は主に一塁を守ってきた。移籍1年目に10試合ほど三塁を守っているが、20年以降、一塁以外のポジションに入ったことはない。
その信憑性はともかく、こうした“臨時コンバート”の話が出るということは、正二塁手・吉川の復帰がかなり遅れそうだとも解釈できるが…。
吉川が肩甲骨周辺の死球を食らったのは、5月4日。その後、精密検査を受け、「骨挫傷」と発表されたが、その怪我の度合いや復帰時期の目処などの詳細は明かされていない。
「最近の傾向ですよね。たとえば、『コンディション不良』とだけ伝え、具体的な病名は言わないってヤツです。状況を具体的に言うと、対戦相手にもチームの内情を教えることになりますから」
他球団の関係者だが、そんな話をしてくれた。
右ヒザの内側側副靱帯損傷と伝えられた坂本にしてもそうだ。その度合いや復帰時期については発表されなかった。
「坂本、吉川は二軍のジャイアンツ球場で軽めの練習をしています。実戦を想定したものではないので一軍復帰はまだ先になりそうですが、通院はしていないようです」(前出・ベテラン記者)
チームの内情を隠すのは、大事なことだ。
しかし、打撃陣の低迷は隠しようがない。原辰徳監督は打線改造でピンチを脱出しようとしているが、「(打線が)なかなか機能しないね」とボヤいていた。こんな風に淡々と喋る時が本当に怒っているのだという。4位中日とのゲーム差も「0・5」まで縮まった。次の“コンディション不良者”が出た場合、チームの内情を隠す必要もないくらい、順位を落としてしまうだろう。(スポーツライター・飯山満)