この日の『冒険少年』は4時間スペシャルで、後半には番組新企画の「脱出岬~スワンボート改造レース~」が放送された。「脱出岬」は、今まで『冒険少年』で放送されてきた「脱出島」のスピンオフ企画で、番組が支給するスワンボートを改造し、どのチームが早く10キロ離れた岬へゴールできるか競うという内容であった。
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参加チームはよゐこ・濱口優率いる「DIYチーム」、安田大サーカス・団長安田率いる「体力自慢チーム」、そしてサイエンスアーティストの市岡元気率いる「科学チーム」の3組が参加し、それぞれの得意技を駆使してスワンボートの改造レースに挑むんだ。
このレースの模様は、4時間スぺシャルのトリとして1時間に渡り放送されたのだが、その結果はなんとも「中途半端」と言わざるを得ない状態であった。
例えば、「科学チーム」は事前に作戦をじっくりと練り、炭酸ガスで機動力を加える「ミニスワン」の開発や、オモチャの「ポンポン船」のシステムを流用したエンジンの開発など、科学の力で徹底したスワンボートの改造を行ったが、出航の途中で高波に揺られてしまい、スワンが沈む危険性があったため、番組スタッフから「強制リタイア」が言い渡され、早々にリタイアとなってしまった。
また、同じく「DIYチーム」もスワンのペンキを塗り直したり、自転車をそのままスワンに溶接し機動力を高めるなど、DIYの面白さを前面に押し出した改造が行われたが、こちらも高波に苦しまれ日没を迎えてしまい、こちらもほぼ強制的にリタイアとなってしまった。
そのため、唯一ゴールできたのが「改造する時間が惜しい」という理由で、無改造のスワンを漕ぎ続けていた「体力自慢チーム」のみであった。これにより、副題で今回のテーマでもある「スワンボート改造レース」のルールを完全に無視したチームが優勝するという「本末転倒」な結果になってしまった。
この内容に、ネットでは「改造の意味がない」「ルール的に改造してないのは失格じゃないの?」「完全に企画倒れだろ」といったツッコミの声が相次いでいた。
また、科学チームやDIYチームのように、スタッフから早々に「強制リタイア」が出された背景には、2022年初めに週刊紙報道のあった「ヤラセ事件」が尾を引いており、これまでのような無茶なロケが出来なくなっている背景があるのではないかとされている。つまり「ヤラセ」を気にするあまり、スタッフが意図するような「冒険心をくすぐるような」ハードなロケが出来なくなっている事が推測されるのだ。
「冒険」した方が負けてしまう、現在の『冒険少年』。番組としてはこの内容で良かったのだろうか……。