今キャンプでは昨季打率「.227」に終わった正捕手・甲斐拓也に精力的にアドバイスを送っている城島アドバイザー。3日に応じた取材では「プロに入ってきた選手は2割7分誰でも打てると思います。拓也が打てないなら、そんな役は引き受けませんよ」と甲斐の奮起に期待したというが、その話の流れで「捕手が打たなさすぎるんですよ。セ・リーグは(投手も含め)2人打たないのがいるようなものじゃないですか。パ・リーグだって捕手が打たなかったら8人攻撃みたいになっているでしょ?」と現役捕手陣の打力に苦言を呈したという。
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今季の球界では支配下として捕手登録されている選手が全81名いるが、このうち過去に打率3割をクリアした経験を持つのはヤクルト・嶋基宏(2010/楽天時代)、西武・森友哉(2019,2021)、広島・坂倉将吾(2021)の3名のみ。この現状に城島アドバイザーは強く不満を抱いているようだ。
この城島アドバイザーの発言を受け、ネット上には「捕手が打ててないっていうのは分かる、3割とはいかなくても.260~.280ぐらいは安定して打ってほしい」、「セ・リーグだと下位でチャンス作っても、8番捕手、9番投手が凡退で無得点という光景はよくあるな」と同調の声が寄せられた。一方、「城島が活躍してた昔の時代が異常だっただけでは?」、「当時のレベルを現役捕手に求めるのは酷ではないか」との反論も多数見られた。
城島氏は現役時代にダイエー・ソフトバンク(1995-2005)、シアトル・マリナーズ(2006-2009)、阪神(2010-2012)でプレーし、打率3割を通算6回クリア。全盛期はダイエーで正捕手を張った2000年前後だが、当時は他にもヤクルト・古田敦也(3割クリア8回)、巨人・阿部慎之助(同3回)など打力に優れた捕手が複数いたことから“捕手黄金期”とも称されている。
「城島アドバイザーは捕手全盛時代の中心としてチームを攻守両面で牽引した経験から、『捕手は打って当たり前』という考えを持っているものと思われます。ただ、現在は当時とは違い“反発係数の低い、飛びにくいボールが使われている”、“投手の平均球速が上がりキャッチング面の負担が増加”、“正捕手の負担減、故障リスクを考えた捕手併用制の浸透”といった事情があるため、当時と同じレベルの打撃力を現役捕手陣に求めるのはハードルが高いのではと考えているファンも少なからずいるようです。城島氏は捕手黄金期が終わり、阿部以外に打てる捕手があまり見当たらなくなってきた2000年代後半の時代も知ってはいるはずなのですが…」(野球ライター)
3日の報道では、甲斐に対し「捕手が率残すことは特別じゃないというのを証明してほしい」とハッパをかけたことも伝えられている城島アドバイザー。一部からは「3割を求めるからには、キャンプだけじゃなくてその後もちゃんと指導してくれよ」といった声も挙がっている。
文 / 柴田雅人