北海道日本ハムファイターズから“自由契約”となっていた秋吉亮投手が「ルートインBCリーグ」(独立リーグ)の某球団と契約するというのだ。
「昨年11月、日本ハムは大田泰示、西川遥輝、秋吉の3人を、契約を提示しないノンテンダー扱いとしました。大田はDeNA、西川は楽天と所属先が見つかったんですが」(スポーツ紙記者)
秋吉だけは“フリー”となっていた。
しかし、今回の独立リーグ入りには“不可解な動き”も見られた。
まず、独立リーグの某球団と契約するという一報だが、あるプロ野球OBのSNSが発信源だった。「NPB復帰をめざし、頑張ってほしい」といった趣旨だったが、数時間後には、その記述が削除されていた。
そこには、独立リーグの球団名も記載されていたのだが…。
>>前日本ハム・秋吉、独立・福井への入団が決定か 球界OBがフライング発表も即削除、NPB外へ新天地を求めた背景は<<
秋吉を知るプロ野球解説者がこう続ける。
「今回の独立リーグの件は確認できませんでしたが、彼の中で『線引き』をしていたのだと思われます。2月1日のキャンプインまではNPBでの去就先を探す、それが叶わなかったら、独立リーグにお世話になる、と。SNSの投稿はフライング、正式な発表前なので削除したのでは」
とは言え、こんな情報も流れていた。楽天から戦力外通告を受けていたアンダースロー・牧田和久投手は、「近くNPBのどこかと契約する」と――。
秋吉たちを取り巻く状況が変わったのは、1月19日。同日行われた12球団監督会議で、今季は「延長12回制」に戻すことが決定した。“9回打ち切り制”だった昨季は、「負けなければいい」と、9回同点の場面でも各チームはクローザーを投入。しかし、「延長戦がある」となれば、投手継投策も変わってくる。延長戦を見据えたクローザーの温存、もしくは、クローザーを降板させた後の継投も、指揮官たちは考えなければならない。
「秋吉、牧田はクローザーの経験もあります。監督とすれば、救援タイプを増員しておきたいところ。資金力のあるソフトバンクが動いたとか、クローザーを予定していた新外国人投手の来日遅延で阪神が動いているとか、具体的な話も出ていたんですが」(球界関係者)気になるのは、ノンテンダーを通告した直後の日本ハム・稲葉篤紀GMのコメントだ。
「ファイターズとの再契約の可能性を閉ざすものではない」
稲葉GMは、日本では聞き慣れない選手処遇の仕方を説明した際、そんなことも話していたのだが…。
「秋吉の21年の年俸額は推定5000万円。これから日本ハムと再契約するとしたら、大幅なダウン提示となるでしょう」(前出・プロ野球解説者)
新庄剛志監督がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、日本ハムキャンプは楽しみであるが、ノンテンダーの是非が議論されることになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)