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広島、鈴木の譲渡金10億円報道もむしろ損? 交渉遅延の悪影響指摘も球団側は今後を楽観視か

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鈴木誠也

 広島東洋カープ・鈴木誠也外野手のメジャー球団との交渉が“難航”している。レギュラーポジションを空けているSFジャイアンツ、レッドソックスなどが「提示条件を上方修正した」との情報も飛び込んできたが、鈴木サイドは“思案中”のまま(日本時間1月23日時点)。交渉が長引いてしまった影響だろう。海外メディアがこんな文言を伝えてきた。

 <契約金は総額5000万ドル(約55億円)を超えてくる。鈴木の在籍していた広島球団に入る譲渡金は937万5000ドル(約10億3000万円)となる>

 ブルージェイズを多く取り上げているカナダのTV局のニュースサイト「スポーツネット」、米スポーツサイト「ジ・アスレチック」などがそう報じていた。

 >>広島・鈴木、メジャーを目指したのは黒田氏きっかけ「これになればいける」 意外な“目標”与えられキャリア激変?<<

 2018年以降、NPB選手がポスティングシステムでメジャーリーグに移籍する場合、契約金と譲渡金が連動して変わっていく方法に変わった。その譲渡金が「上限2000万ドル」と定められていた時期もあり、当時のレートだと約20億円。937万ドル強と聞くと、一瞬驚いてしまうが、広島はむしろ損をしており、それでも、鈴木の挑戦を応援したとも解釈できる。

 そんな佐々岡カープにおいて、“意外なポスト鈴木”が出現するかもしれない。5年目の中村奨成捕手だ。

 「外野手併用を受け入れました。正式には昨季途中、臨時措置みたいな形で外野守備をやっています。二軍戦でも外野の練習を“やらされて”いました。でも、昨年オフの契約更改の席で話し合い、気持ちの面でも割り切ることができ、前向きになれたようです」(球界関係者)

 中村は2017年夏の甲子園大会で3試合連続本塁打、2度の「1試合2本塁打」をマークし、同年ドラフトで1位指名された。

 「プロの壁」に苦しんだ時期もあったが、1年先輩の坂倉将吾が「捕手兼一塁」で試合に出続けたことも刺激になったようだ。

 「正捕手争いを諦めたわけではありませんが、今季は外野手でのスタメンを強く意識しています」(前出・同)

 今オフはかなりバットを振り込んでいたという。この大器が覚醒したら、広島打線は面白いことになるのではないだろうか。

 坂倉、同じく昨季ブレイクした林晃汰、小園海斗らもいる。ドラフト3位ルーキーの中村健人外野手(トヨタ自動車)の評判も良い。若く、きっかけを掴んだら一気に爆発する新打線が編成されるはずだ。

 年長のプロ野球解説者がこう続ける。

 「昨季、前年最下位だったチーム同士の日本シリーズが繰り広げられました。ペナントレースが始まる前、ヤクルト、オリックスを評価する声はほとんどありませんでした。なぜ、解説者たちの予想が外れたのか? 監督がガマンして使い続けた新戦力が、シーズン途中に覚醒したからです」

 「未知数の若手が覚醒して」という“解説者泣かせの変革”が、広島で再現されるかもしれない。

 当初、鈴木の譲渡金で大型補強に出ると思われていた。しかし、新外国人選手は獲得したものの、ビッグネームではなかった。譲渡金約10億円が活躍した若手の昇給分に充てられたら…。それこそ、育成の広島らしい、鈴木喪失後のカネの使い方だ。(スポーツライター・飯山満)

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