そんな情報が聞かれた。
メジャーリーグは球団業務が完全停止するロックアウト状態のまま。MLB機構と同選手会は新・労使協定を結ぶための話し合いを再開したが、進展はナシ。「キャンプ、公式戦の日程に影響が出ないように」という、両サイドから出た言葉を信じるとすれば、年明けの1月中旬、遅くとも2月上旬には合意し、球団業務も再開されるだろう。
業務再開後の注目は、広島東洋カープ・鈴木誠也外野手との交渉だろう。しかし、メジャーリーグが獲得に向けて動いていたNPB選手は鈴木だけではなかった。
>>広島・鈴木がマイナー行きに? 現地メディアが指摘、交渉遅延がもたらす最悪の事態を本人も危惧か<<
「日本ハムに在籍していたドリュー・バーヘイゲン投手も評価されています。鈴木のような大型契約にはなりませんが、ビッグネームとの交渉に参加できないいくつかの米球団は、最初からバーヘイゲンを狙っていました」(ア・リーグ中部地区チーム関係者)
今オフ、米球界への復帰が決まったNPB投手は、阪神の守護神だったロベルト・スアレス、ソフトバンクでエース・千賀に次ぐ9勝を挙げたニック・マルティネスの2人。両投手の退団は大きな痛手として報じられたが、バーヘイゲンの場合はちょっと違う。
今季の成績は5勝8敗。防御率は3点台後半で、NPB通算の2年間で13勝しか挙げていない。しかし、米スカウトは別の見方をしていた。
「シーズンを通しての成績は平凡。でも、後半戦のピッチングは目を見張るものがありました。制球難の課題も克服され、大崩れしなくなりました。バーヘイゲンに興味を持った球団はエースになってくれとは言っていません。ローテーションを守り、先発投手としての責任イニングを投げ、3、4点以内に抑えてくれればいいと思っています。先発ローテーションの4、5番手を担ってもらうつもり」(前出・同)
バーヘイゲンに対する米球界側の評価を聞いていると、“ビッグボス”新庄剛志監督のことがちょっと心配になってきた。
日本ハムは前年から成績を落とした西川遥輝、大田泰示、秋吉亮の3選手を「ノンテンダー」で手放している。年齢、コストパフォーマンス、チーム内の若手など、さまざまな状況から判断したわけだが、日本ハムは選手層の厚いチームではない。
「新庄監督なら、中堅、ベテランも前向きになれる明るいチームにしてくれるはず」(地元メディア)
新庄監督は就任会見で「9月になってその射程圏内にいたら」と、独特の言い回しで優勝争いの難しさを語っていた。
優勝は、若手、中堅、ベテランがそれぞれの持ち味を出さなければできないものだ。日本ハムは目立った補強もしていない。
「新監督を迎える際、球団はご祝儀的な意味合いで、例年以上の選手補強も行います。今のところ、日本ハムがトレードや大物外国人選手の獲得を狙っているとの情報はありません」(地元メディア)
ピッチャーは一人でも多い方がいい。新庄監督は選手層の薄さに泣かされることになるのでは…。(スポーツライター・飯山満)