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1700年たっても固まらない?聖ヤヌアリウスの血、12月に2年ぶり液化

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 奇跡か、はたまた未知の技術によって造られたオーパーツか、とされている奇妙な物体がイタリア・ナポリのジェンナーロ教会に存在している。ナポリの守護聖人である「聖ヤヌアリウスの血」と呼ばれるものだ。

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 聖ヤヌアリウスは約1700年前にナポリの教会の司祭を務めていた人物だったが、当時キリスト教を厳しく弾圧していたローマ皇帝によって処刑され、遺体も行方知れずとなってしまった。だが、100年ほど後にナポリに近いボッツォーリで、埋葬されていた聖ヤヌアリウスの遺体を数人のキリスト教徒が発見。遺体はナポリに移されることになったのだが、その道中で遺体を納めていた包みから血がしたたり落ち始めた。さらにその時、民衆を苦しめていたイタリア有数の火山であるヴェスビオ火山の噴火もやむという奇跡が起きた。人々は聖ヤヌアリウスが火山の噴火を止めたとして、彼をナポリの町を守護する聖人としてあがめるようになった。

 この時、したたり落ちた血は集められてガラスの容器に入れられ、今も教会に大切に保管されている。そして、遺骨がナポリに運び込まれた5月と処刑された9月、1631年のベスビオ山噴火の記念日の12月16日に公開される。そしてミサの最中に聖ヤヌアリウスの血が入った容器が揺すられるのだが、この時固まっていた血液が液状になり始めるのだ。

 時間がたった血液は凝固してしまうものである。ましてや1700年前の血が今でも液体の状態を保ち続けるということはあり得ないため、「奇跡」と言われているのだ。聖ヤヌアリウスの血が液化すると平穏だが、もし液化せず固まったままであった場合は悪いことが起きる、と伝えられている。疫病や干ばつ、大司教や教皇の死、世界大戦、地震など様々な記録が残されており、特にここ2年間、12月のミサでは聖ヤヌアリウスの血が液化しないままだったという。今年は6時間ほどかかったものの、めでたく液化が確認されたため、人々は「新年を迎えるに良いニュース」と言っているそうだ。

 なお、聖ヤヌアリウスの血は何度か科学分析されている。聖遺物に当たるため、容器を開封して中身を直接分析することは不可能なのだが、容器の外側からの分析によると、人の血液中にも存在するヘモグロビンが検出されるという結果が出ていた。やはり、本物の血なのかと思ってしまいそうになるが、この聖ヤヌアリウスの血はその特徴から水酸化鉄を使用したコロイド溶液ではないかと言われている。コロイド溶液は普段は固体だが、刺激を加えると液化するという特徴がある。だが、この仮説も容器の外から得られる情報のみから立てられた説なので、断定はできないとのこと。

 だが、聖ヤヌアリウスの血が今も聖遺物として大切にされ、多くの人にあがめられているのは紛れもない事実なのだ。

山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中

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