「チームは完全に優勝争いから脱落してしまいましたが、大谷効果でしょう。観客動員数などエンゼルスへの注目度は一向に落ちません」(現地関係者)
そんな“福の神”の大谷に2つの難題が降りかかってきた。
>>エンゼルス・大谷、試合中に下半身のトラブル発生? 敵打者のいたずら“再犯”が話題、「ご利益狙いでは」の声も<<
「ロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手が5試合連続アーチを放つなど、本塁打王争いトップの大谷を猛追してきました。両者は3本差、大谷に対し、対戦チームのマークが厳しくなっているので、一時的な逆転もあるかも」(米国人ライター)
大谷に本塁打のタイトルを獲ってもらいたいとする米国ファンもかなり多い。しかし、2つ目の難題はこれからが“本番”だ。
エンゼルスの球団地元紙オレンジカウンティー・レジスターが「読者からの質問」と称し、<今季終了後に大谷と契約延長する可能性は?>なる記事を特集した。
「読者からの質問を取り上げ、それに答える形で取材がされていましたが、大谷の契約延長は、米メディアが最も知りたいことでもあるんです」(前出・同)
大谷は20-21年オフに「2年850万ドル」(約9億4000万円)の契約を結んでいる。メジャーリーグでは終了前に新規契約の話し合いを始めることも多く、エンゼルスには「主砲のマイク・トラウトと前契約を満了する2年前に延長の新規契約を結んだ」という“実績”もある。
そのため、「大谷を本気で引き止めたいのなら、新規契約の交渉を始めなければならない。遅すぎるくらいだ」と、米メディアは睨んでいた。
オレンジカウンティー・レジスター紙は<現時点では兆候は見られなかった>と伝えていたそうだが、
「チーム功労者で看板選手だったベテランのプホルスをシーズン途中に放出し、来年オフに5年契約が終わるアプトンと再契約の下交渉を始めた気配も全くない。高額年俸選手を手放すのは、大谷との大型契約に備えるためではないか?」
と予想する声も多く聞かれた。
ドジャースに放出されたプホルスの今季年俸は3000万ドル(約33億円)、アプトンは5年総額1億600万ドル(約176億円)。彼らを手放し、浮いた分を大谷との新規・大型契約に充てるというわけだ。
5年総額2億5000万ドル(約276億円)――。これは、米スポーツ専門局ESPNが球団関係者からの取材をもとに弾き出した金額だ(8月12日付)。
「5年総額2億5000万ドルが新規契約の最低ラインになるとも予想されています。新規契約の下交渉を来シーズンまで持ち越したら、どうなるのか? 仮にちょっとでも成績を落とせば、大谷にとって不利になりますし、2年連続での活躍となれば、エンゼルスは払い切れないでしょう。今季中に新規契約の話し合いをすることで、双方にメリットが出てきます」(前出・同)
目下、メジャーリーグで野手最高額をもらっている、同僚でもあるトラウトの3717万ドル(約41億円)をはるかに上回る新年俸、55億円強。メジャー史上4人目の「50本塁打、20盗塁」を達成したら、さらに跳ね上がるそうだ。(スポーツライター・飯山満)