しかし、現地ドイツではどのような反応があるのだろうか。ドイツ在住日本人によると、現地ドイツでも“カタカナユニフォーム”は話題になっており、「可愛いデザイン」「カタカナは、なんてクールな文字なんだ」という声が挙がっているという。オリンピックドイツ代表の公式Instagramでは、投稿写真に「ドイツ」というカタカナ文字が入ったロゴをほぼ毎回貼っており、それもカタカナがドイツで広く知られることに影響しているようだ。
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ドイツ人がカタカナを気にかけているということは日常でも感じる場面があるようで、とある30代の在独日本人男性は「ドイツ人の友人男性にカタカナで自分の名前はどう書くのか聞かれた」と明かす。その友人はオリンピックのドイツ代表が開会式の際に着ていたユニフォームにカタカナが書かれていたことでカタカナを知ったそうで、日本の独自の文字に感銘を受けたそうだ。
また、別の30代の在独日本人女性は、公園で10歳ほどのドイツ人と思われる少年に突然話しかけられ、「オリンピックでカタカナを知っておしゃれだと思ったから、日本語を勉強し始めたんだ」と言われたという。少年はスマートフォンに日本語学習のアプリケーションをダウンロードしてカタカナを含めた日本語の勉強を始めたそうで、少年に「今度、日本語を教えてほしい」と言われたそう。日本人女性は「オリンピックがなければ、この少年は日本に興味を持つことはなかったかもしれない。少年の意欲が嬉しかったし、オリンピックの影響は大きいと身をもって感じた」と思いを打ち明けた。
他にも、40代の在独日本人男性が、同僚のドイツ人女性にオリンピックでドイツ代表のユニフォームを見てカタカナを知ったことを伝えられ、「今までアジアの文字は漢字しか知らなかったけど、オリンピックで日本にはカタカナという独自のスタイリッシュな文字があることを知った」と興奮気味に言われたそうだ。同僚からは「こんなにも可愛い文字があることをなんで今まで言わなかったんだ」と嬉しいお叱りを受けたと話し、これまで知られていなかった日本の文化がドイツに浸透しつつあることを紹介した。
別の在独日本人によると、これまでは日本と言えば、寿司や礼儀が正しいというイメージが強く、文字についてはあまり注目されて来なかったという。漢字の存在は知られていたものの、日本ではなく中国の文字と認識されていることが多かった。しかし、今回のオリンピックでカタカナをきっかけに日本に興味を持つ子どもが増え、また意識が高い若者はカタカナをおしゃれの対象として見始めているようだ。
ドイツでカタカナがブームになる日は、すでに来ていると言えよう。