斎藤は「7−0」と日本ハム7点リードの6回表に2番手として登板。先頭の戸柱恭孝を右飛、続く嶺井博希、益子京右をそれぞれ三ゴロに打ち取る無失点投球を見せたが、ストレートの最速は132キロと自己最速の150キロを大きく下回る数字だった。
2020年10月16日の二軍・巨人戦の登板後に「内側側副じん帯断裂」の怪我を負った斎藤は、保存療法を選択し回復を目ざすと決断。今春キャンプではリハビリの一環としてブルペンで200球を投げ込んだことが話題となった。その後は4月8日に故障後初の打撃投手を務めたこと以外は詳しい動向は伝えられていなかったが、今回の試合で故障を負った巨人戦以来269日ぶりとなる実戦復帰を果たした。
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斎藤の投球を受け、ネット上には「実戦復帰は喜ばしいけど最速132キロはさすがに遅すぎる、その辺の高校生レベルじゃないか」、「空振りを奪った球が1球も無かったから、打者はそれほど斎藤の球に脅威を感じてないってことだよな」、「ここから球速が上がる見込みも無さそうだしいよいよ引退か」といった反応が寄せられている。
一方、「今すぐ遅い変化球を覚えろ、そうすれば右の星野になれる」、「ここから球速を上げるよりは、遅球を習得して星野のように緩急を武器にする方がまだ望みがあるのでは」、「星野さんのように球速が遅くても活躍した投手はいるわけだし、斎藤もそうなれるように新球種を覚えるなりしてほしい」と、元オリックス・星野伸之氏(現野球解説者)を引き合いに出した期待の声も複数見受けられた。
「ファンが名を挙げている星野氏は阪急・オリックス(1984-1999)、阪神(2000-2002)でプレーし『427登板・176勝140敗2セーブ・防御率3.64』という通算成績を残した55歳の元左腕投手ですが、ストレートの最速はわずか135キロ。ただ、球速90キロ台のスローカーブを織り交ぜ緩急をつけていたため打者にはスピードガンの表示以上に直球が速く見えたといい、パ・リーグを舞台に対戦を重ねた清原和博氏(元西武他)も『星野さんのストレートが一番打ちにくい』と手を焼いたことが知られています。そのため、今回ストレートの最速が132キロにとどまった斎藤も、星野氏のようにストレートを速く見せるような遅い変化球を覚えれば復活の目はあるのではと期待を寄せるファンは少なくないようです」(野球ライター)
試合後、今後の投球スタイルについて「駆け引きみたいなもので勝負していかないといけない」と語ったことが伝えられている斎藤。今後の投球内容も大きな注目を集めそうだ。
文 / 柴田雅人