「彼は小さい頃に大きな病気をしたそうなんです。いろんな人に助けられて、なんとか生きているのだと。だから、“自分は生かされている”と言い、恩返しをしなければいけないと、世の中の役に立つ行動を取る人なんですね。
>>電話口から聞こえたアノ声に~女がドン引く瞬間~<<
付き合い始めた頃、デートで献血に連れていかれました。ちょっとビックリしたけど、人の役に立っている行動なので悪い気はしませんでした。お菓子や飲み物をもらえたりして、むしろ新鮮で楽しかったです」
常に人のために生きようとする彼の姿勢を見て、智美さんはどんどん惹かれていったそう。だが、そんな彼の意志が危険な方向に進み出す。
「ある時彼に、“動画を取って欲しい”と頼まれ、家に行きました。大粒のブドウの房が3つ用意されていて、食べるところを撮影するように言われました。すると、ほとんど噛まずに口に放り込み始めました。私は、おもしろ動画でも撮るつもりでスマホを構えていましたが、だんだん彼の顔が青ざめてきたんです。危ないと思って背中を叩いてあげると、ブハッとブドウを吐き出し、大事に至らずに済みました。なんでも、ブドウを喉に詰まらせる事故に遭った子どものニュースを見たらしく、その危険性を自分で試したとのこと。なんて危ないことをするんだと思いました。
また、最近では、コロナのワクチンが広まり始めた頃。副反応が懸念されるというニュースを見て、自分のカラダで実験して欲しいと厚生労働省に電話をかけようとしていたので、慌てて止めました」
世のため人のために行動することは尊い。だが、自分の一番身近な人に迷惑をかけるようなことをしては、元も子もない。
写真・Marco Verch Professional Photographer