同戦に先発した山口は3回裏1死ランナーなしで迎えた第1打席で、広島先発・九里亜蓮が投じた2球目を強振した際に勢い余って転倒。その後すぐに立ち上がり一塁へ走ったが、打球はボテボテの投ゴロで悠々アウトに。一連の様子を見ていた一塁コーチャーの村田修一コーチは、ベンチに戻る山口をニヤニヤしながら見つめていた。
>>巨人・山口、打撃中の珍ハプニングで話題に 一塁コーチャーが思わず爆笑?「打席に問題があるのでは」と心配も<<
山口の転倒を受け、ネット上には「スイングの勢いのまま派手にコケてびっくりした」、「転倒自体が面白いのに、村田コーチもめっちゃニヤニヤしてるからさらに笑える」といった反応が寄せられた。一方、「渡米直前のシーズンにも転倒してたのを思い出した」、「2年前は走塁中に転んでたけど今後は打撃中か」とのコメントも見られた。
山口はこれまでDeNA(2006-2016/2006-2011は横浜)、巨人(2017-2019,2021-)、トロント・ブルージェイズ(2020)、サンフランシスコ・ジャイアンツ(2021/マイナー)の日米4球団でプレー。MLB挑戦前年の2019年には最多勝(15勝)、最高勝率(.789)、最多奪三振(188個)の三冠を獲得しているが、同年シーズンのある試合でも転倒でファンの話題を呼んだことがある。
ハプニングが起こったのは同年7月5日に行われたDeNA戦。先発した山口は、DeNA打線に対し5回まで2失点と力投。「2-2」の両チーム同点の6回裏無死で迎えた第2打席では、左中間フェンス直撃の二塁打を放つなどバットでも活躍を見せた。
ところが、続く亀井善行が送りバントを敢行した際、三塁へ進もうとした山口は2歩ほど踏み出したところで足がもつれ、頭から地面に倒れ込むような形で転倒。バントを捕球したDeNA三塁手・宮崎敏郎は山口の転倒に気付かず一塁に送球したが、気付いていれば二、三塁間の挟殺プレーでアウトになるのはほぼ確実という状況だった。
山口は転倒後すぐに立ち上がり辛くも三塁へ進塁したが、一連の流れを見ていた三塁コーチャーの元木大介コーチは「お腹がつっかえて転んだんだ」といわんばかりに、お腹周りで両手を広げるジェスチャーを自軍ベンチに送る。これを受けた原辰徳監督や宮本和知コーチは思わず笑みを浮かべていた。
さらに、この場面では原監督が亀井の一塁アウトの判定にリクエストを要求したため、球場や中継画面には山口の転倒を含めたリプレー映像が複数回流されることに。映像が流れるたびに場内からはどよめきが起こり、解説を務めた中畑清氏(元DeNA監督)も「(ただ)転んでのレベルじゃない(くらいの転び方)でしょう」とコメントしながら大笑いしていた。
山口はその後2失点のまま8回まで投げ切り勝利投手となったが、お立ち台では「しっかり走塁練習をやり直してきます」と苦笑いでコメント。また、試合後には原監督からも「攻撃においては一人でいろいろ時間差(で転んだり走ったり)やってましたね」とツッコまれたことが伝えられた。
ファンや首脳陣の笑いを誘った2年前に続き、またしても試合中の転倒で大きな話題を集めた山口。思わず体のバランスを崩してしまうほど、全力でプレーしているという証なのかもしれない。
文 / 柴田雅人