問題となっているのは、両チーム無得点の4回表に飛び出た継投策。巨人先発・高橋優貴は前の回に足を気にして一時しゃがみこむ一幕がありながらも投球を続けていたが、1死から連続四球を与えたところで原監督は途中降板を決断。その後、2番手として畠世周をマウンドに送り込んだ。
畠は先発ローテの一角として試合前時点で「8登板・2勝3敗・防御率4.07」といった数字を残していたが、前回登板の5月28日・ソフトバンク戦では「3回5失点・被安打5」でKOされていたプロ5年目・27歳の右腕。そこから中3日と短いスパンでの登板となったが、「1回2/3無失点・被安打0」と完璧な投球を見せたため原監督の采配は的中する形となった。
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原監督による畠のリリーフ起用を受け、ネット上には「出てきた時は何で畠なんだと思ったけど、先発の時より全然安定しているような印象を受けた」、「このまま中継ぎへ本格転向させた方がいいんじゃないか」、「今ブルペン陣はかなり火の車だし、畠を回せるなら相当心強い存在になりそう」といった反応が多数寄せられている。
一方、「故障がちな畠のブルペン起用は絶対壊れる気しかしないからやめてほしい」、「復調のための一手ならまだ納得できるけど、ここからリリーフ起用に切り替えるなら高確率で裏目に出ると思う」、「これで畠が故障離脱したら責任取れるのか?」といった否定的なコメントも複数見受けられた。
「畠は2017年のプロ入りから1日の試合までに先発として35試合、中継ぎとして13試合に登板していますが、先発防御率は『3.46』、救援防御率は『3.18』と中継ぎの方が失点が少なくなっています。巨人は現在救援防御率がセ・リーグ4位(3.78)とリリーフ陣が不安定なだけに、原監督は畠がブルペンのテコ入れに使えないか試したのかもしれません。ただ、畠はプロ入り前に右ひじを手術しており、プロに入ってからも腰痛(2018)、右ひじ痛(2019)、右肩肉離れ(2020)と故障が頻発しています。そのため、先発とは違い連投が当たり前の中継ぎで使うと新たな故障のリスクにつながるのではと不安視している声も多く見られます」(野球ライター)
試合後、原監督は「よかった、よかった。(投げっぷりが)よかったですね」と畠の投球を称賛したことが伝えられている。このまま畠をリリーフ起用していくのかどうかは大きな注目点となりそうだ。
文 / 柴田雅人