開催を打ち出したのが、『スッキリ!』(日本テレビ系)のMCを務める極楽とんぼの加藤浩次だ。6月4日の放送では、オリンピックの公式映画の監督を務める河瀨直美氏とも激論を交わした。加藤は「僕は無観客で開催するのがいいと思っている」とコメントし、開催派に立った。加藤のスタンスとしては、ここまで来たからにはやらざるを得ない。その場合、リスクを最大限に排除するため無観客開催を選ぶべきではと、現実路線に立ったものだと言えるだろう。
加藤ほど明確ではないが、五輪開催に賛成の立場を示しつつあるのが爆笑問題の太田光だ。6日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、五輪開催に慎重な姿勢を示す政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長について、「五輪を止めろと言っているわけではない」「政府との対立を望んでいるわけではない」と擁護の姿勢についた。太田の場合はまず、状況を整理しようとしていると言える。
>>玉川氏、尾身会長に「世界中から全く評価されない人たちになる」連日批判 五輪開催への発言を自己評価のためと主張<<
これに対し、「サンジャポ」の前番組の関口宏がMCを務める『サンデーモーニング』(同)は、明確にオリンピック反対の姿勢を示している。3月28日の放送では、政治学者の姜尚中氏が「ここは引いて、もう一回、東北か福岡で日本らしい新しいオリンピックの形を示してほしい」といった提案を行った。現在のように中止論が世の中のムードに現れる前であり、かなり明確な姿勢であると言えるだろう。5月23日の放送では、関口がオリンピックについて、「残酷なことに日一日と迫ってきてしまう」と話しており、否定的なスタンスが窺える。
TBS系では、『情報7days』(同)のキャスターを務めるビートたけしも、度々疑問を示す発言を行っている。
現実問題として開催すべき派が加藤や太田、原理原則的な中止派が関口やたけしのスタンスと言えるかもしれない。