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世界で最古の聖書写本「死海文書」は複数人によって書かれていた!?最新の研究結果より

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 世界で最古の聖書写本と言われている死海文書の新たな断片が発見された、と3月16日にイスラエル考古学庁が発表した。死海文書は1946年から1956年にかけてユダヤ砂漠東部に存在する11の洞窟の中から発見されたものであり、新たな断片の発見は60年ぶり。

 死海文書は紀元前3世紀から1世紀に書かれたもので、紀元前68年にローマ軍の侵攻を避けるため、イスラエルの塩湖"死海"沿岸にある11の洞窟に隠された写本群であり、聖書の内容が比較的正確に伝えられてきたことを証明するキリスト教教典としてはもちろん、歴史的にも重要な文献の一つとされている。しかしその文面の中には謎めいた文章も多く、後世の予言書と見なす向きもあり、今でも研究が重ねられている。

 そんな中、最新の研究結果で「死海文書は複数人の手によって執筆された」ことが明らかになった。この発見はグロニゲン大学クムラン研究所の研究チームによるもので、1946年にイスラエルのクムランの死海近くで発見された7つの写本のうちの1つである「1QIsaa」を対象に行った分析によるもの。「1QIsaa」は今からおよそ2000年前に書かれたヘブライ語聖書のイザヤ書の66章を記したもので、他のヘブライ語イザヤ書写本よりも1000年以上古いものになる。研究チームはこの写本のデジタル化や機械による読み取り、統計分析などを行った結果、非常に似通った筆跡を持つ2人の書記が巻物の2つの部分を書いたと考えられるというのだ。

 >>60年ぶりに新たな断片発見、今も様々な発見の相次ぐ「死海文書」<<

 今回の分析では写本の巻物の革やパピルスとインクを分離するアルゴリズムをAIに学習させ、それぞれの文字を精査させた。また研究者たちは54列中27列目のテキストの最後に原稿の切れ目を発見。1枚目の上に2枚目のシートが縫い付けられており、この段階で筆記者が替わったのではないかと考えられている。

 今回の結果は、死海文書が一人の執筆者の手によるものではなく、複数の写字者がチームを組んで作業していたのではないかという仮説を裏付けるものとみられている。一方で、ペンの交換やペン先の研ぎ直し、執筆条件の変化や書記の健康状態の変化などが筆跡の違いをもたらした可能性も捨てきれないとのことだ。

(山口敏太郎)

参考記事
Dead  Sea Scroll had two authors, not one(unexplained-mysteries.com)より
https://www.unexplained-mysteries.com/news/346277/dead-sea-scroll-had-two-authors-not-one

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