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​​“傷つけない笑い”の真逆?“クズ芸人”たちがブレイクの兆し

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岡野陽一

 近年、お笑い界では“人を傷つけない笑い”が主流となっている。1990年代に当たり前にあった見た目イジリ、暴力系のネタが鳴りを潜め、クリーンで分かりやすい笑いが求められる傾向にある。世間の風潮もあるため、仕方のないことだが、30、40代のお笑い好きには少し物足りなさを感じている人もいるかもしれない。しかし、そんな中でも異彩を放っている3人の芸人がいる。ピン芸人の岡野陽一、空気階段・鈴木もぐら、ラランド・ニシダだ。彼らに共通しているのは“クズ芸人”というレッテルが貼られていることである。

 岡野は、本田和之(芸人引退)とのコンビ「巨匠」時代に『キングオブコント』(TBS系)ファイナリスト、ピンになっても『R-1ぐらんぷり』(関西テレビ・フジテレビ系 ※現『R-1グランプリ』)の決勝進出と、実力は折り紙付き。しかし、日々、ギャンブルに明け暮れており、数人の知人から総額1,000万円超えの借金をしているという。あえてそのことを大っぴらにするだけでなく、ウソかマコトか「自分の木曜日を債権者さまに差し出している(人権がない。一緒に行動をしたり、債権者の代わりにいろいろ調べたりする)」「デート中にパチンコがしたくなって女性をまいた」などなど、エピソードはキリがない。“借金芸人”をピックアップするとなれば、まず彼を呼ぶという番組も多いことだろう。

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 一方、もぐらは『キングオブコント』の好成績をきっかけに、ブレイクしつつある芸人。こちらも風俗やギャンブルで借金を作っており、総額700万円にのぼる。岡野と違うのは、既婚者で子どもが2人もいることだ。最近では、仕事が順調で、少しずつ返済しているようで、相方の水川かたまりもその変わりように驚くほど。しかし、それでクリーンになったわけではない。彼の遅刻癖はひどく、現場に着いた時の土下座のスピードは尋常じゃないという。

 最後にニシダ。彼も遅刻魔であり、マネージャーから借りた金でギャンブルをするクズ芸人だ。今年の初め、交際している女性宅に転がり込み、生活費を払わず、居候しているような状態だと明らかになったばかり。また、実家は勘当状態で、上智大学を2度退学している強者でもある。

 「3人の共通点は“かわいげ”があるところ。芸能界に必要なポップさがあるのは強みだと思いますよ。最近は芸能人でも一発のスキャンダルで業界を干されてしまいますが、彼らは普通にテレビに出られている。クズエピソードを連発しても笑いに変えられる力もありますし、相方がフォローしてくれるので、メディアで求められているのです」(芸能ライター)

 4月、さらば青春の光・東ブクロが女性関係で大炎上した。彼も女好きとして知られていたが、週刊誌で報道されたものは、非人道的なものだった。東ブクロ側も言い分があるのかもしれないが、こうした“ファンタジー”として楽しんでいたものが、リアルになると世間は途端に手のひらを返す。岡野やもぐらたちも“笑えるライン”でクズキャラを突き通してほしいものだ。

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