パーサヴィアランスが探しているのは微生物や生命が存在した痕跡であるが、これまで火星へ送られてきた探査機が捉え、地球に送ってきた画像には生命体らしきものが写り込んでいることがあった。トカゲやウサギ、カニのように見えるものが確認されており、発見されていないだけで本当は生命が存在しているのではないか、とも言われていた。今回は改めて火星で発見された様々な生物、文明の痕跡らしきものについて紹介しよう。
最も有名なものは「火星の人面岩」だろう。1976年7月25日に探査機バイキング1号が撮影した画像に、幅1.6キロになる巨大な人面が確認されたというもの。他にもピラミッドのように見える構造物などが複数発見されたことから、エジプトのピラミッドやスフィンクスの原型は火星にあった、という説を唱える人も出てきた。しかし残念なことに、後年になって欧州宇宙機関(ESA)の探査機マーズ・エクスプレスに搭載された高解像度ステレオカメラによる高解像度の画像で、この人面岩が単なる岩山にすぎず、粗い解像度と日の当たり具合によってできた奇跡の一枚だったことが判明したのである。
しかし、火星には他の構造物も存在している。2015年5月にNASAの探査機キュリオシティが撮影した画像で確認されたのは、「透けるレースのようなドレスを着た女性」の姿だった。確かに画像では砂漠に白い女性を思わせるシルエットが存在していたのだが、後にキュリオシティは同じ地点で別角度から撮影した。この時カメラに車輪の一つが写り込んでおり、比較すると問題の「女性」はほんの数センチにも満たない大きさだったことが明らかになったのである。
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これらの奇妙な物体が火星等で発見される事実について、専門家は人間の脳が起こす錯覚の一つ「パレイドリア」によるものではないかと述べている。
神経科学者のディーン・バーネット氏は「人間の脳は何が重要で、何が重要でないかを見極めるために進化を重ね、物事には特定のパターンがあると学習し、即座に判断を下せるようになりました。しかし脳が進化した結果、特定のパターンから類似したものを連想してしまうようにもなったのです。特に我々人類が行うコミュニケーションは顔の表情と非常に密接に関係しているため、顔や顔に似たものを扱う脳の特別な領域を発達させたほどです。その結果、本来は顔ではないものに対して『顔がある』と誤認してしまうようになりました。同様の錯覚が他にも起きているのだと考えられます」と語っている。
実際、先日火星に送り込まれたばかりの探査機パーサヴィアランスの画像にも「白いペンギン」らしき生物の姿があるとして話題になった。結局、実際に現地に行って確かめる機会がこない限り、我々は月面や火星に様々なものを見つけてしまうのかもしれない。
(山口敏太郎)
参考記事
Truth behind bizarre 'sightings' on Mars from 'woman in skimpy dress' to 'Bigfoot'(dailystar)より
https://www.dailystar.co.uk/news/weird-news/truth-behind-bizarre-sightings-mars-23765105