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巨人ドラ5・秋広、対外試合で好調も歴史的抜擢は厳しい? コーチは打撃絶賛もチーム事情に問題アリか

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 ペナントレースのカギを握るのは「左」になりそうだ。

 巨人の注目新人、ドラフト5位の秋広優人内野手(二松学舎大付高)が対外試合でも“結果”を残した。2月23日の東京ヤクルトとの練習試合で2本の二塁打をマークし、打点も挙げた。

 「キャンプ上旬の紅白戦で注目され、チャンスを掴みました。一軍クラスの投手に苦戦する場面もありましたが、対外試合4試合目となるこのヤクルト戦では、プロの変化球にもしっかり対応できていました」(プロ野球解説者)

 甲子園大会を沸かせた有名高校球児でさえ、金属バットとプロの木製バットの違いに苦しむケースが多いのに、秋広にはそれがない。“開幕スタメン”を掴めば、巨人史上の高卒新人では1959年の王貞治氏以来となる。

 夢のある話だが、それと同時に“巨人の弱点”も見えてきた。

 同時点で支配下登録されている巨人の内外野選手のうち、18人が左バッターなのだ(両打ち2人を含む)。内野手17人の中で左バッターは7人と半分以下だが、外野手11人中9人が左打ちだ。

 また、レギュラー候補をザッと挙げてみると、左打ちに偏重した打線になる。坂本、岡本は右打ちだが、丸、梶谷、吉川尚は左打ちで、期待の新外国人野手は左打ちとスイッチヒッターだ。秋広が“夢を掴んだ”場合、野手8人中5人が左バッターという状況になる。

 「一流クラスになれば対左投手も関係ないでしょうが、試合中盤以降、左のリリーバーが出てきたら、代打攻勢を仕掛けられなくなります。阪神の主な中継ぎは左腕の岩貞、岩崎。阪神戦で苦戦する場面も増えそうですね」(前出・同)

 案外、秋広の「球団史への挑戦」は主力バッターたちの奮闘に掛かっているのかもしれない。第二期原政権を知る関係者がこう言う。

 「07年オフ、当時の課題は『ショートの新レギュラー』でした。何人かの内野手がリストアップされ、秋季キャンプ、08年春季キャンプでテストされました。伊原春樹ヘッドコーチが堅守の某選手の名を挙げましたが、原監督は『坂本で行く』と言って譲りませんでした」

 こうした経緯を聞くと、秋広が夢を叶えることも十分にあり得る。

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 もっとも、こんな情報も聞かれた。

 「打撃担当の村田修一野手総合コーチが『誰にバッティングを教わったの?』と、秋広に質問していました。秋広は少し考えてから、高校の恩師だと答えていました」(球界関係者)

 母校出身のプロ野球選手には、広島の鈴木誠也もいる。秋広自身が持って生まれたセンスもあるが、良い環境にも恵まれてきたのだろう。「教える」ということについて、プロ野球界の指導者も考え直さなければならないようだ。(スポーツライター・飯山満)

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