この日、『しくじり先生』がテーマとして扱ったのは、1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』から始まり、今年2021年にシリーズ累計45作目を迎える「スーパー戦隊シリーズ」についての「しくじり」を特集。
講師の麒麟・川島明いわく、「スーパー戦隊シリーズはずっと順風満帆だった訳ではなく、子供から評判が乏しく打ち切り寸前だった時代もある」と説明。特に、1990年から1993年に放送された『地球戦隊ファイブマン』『鳥人戦隊ジェットマン』『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の3作品は、「マンネリを打破するための激動の3年間」であったとされ、様々な試行錯誤が行われたという。
放送前半では、マンネリ期1年目である1990年に放送された『地球戦隊ファイブマン』に関する迷走ぶりを紹介。この時期は「○○戦隊」といったモチーフとなる戦隊の選定やネーミングにもマンネリの色が見え始め、『光戦隊マスクマン』や『超獣戦隊ライブマン』、『高速戦隊ターボレンジャー』とバリエーションに富んだ一方、『ファイブマン』はイメージの掴みにくい「地球戦隊」、さらに元祖の『ゴレンジャー』と似た語感の「ファイブマン」で、最初からつまずいていたと説明。
>>麒麟・川島と大悟の番組で提案された“電車内でのBGM”に賛否も、前例があった? 導入されなかった背景は<<
さらに迷走ぶりは止まらず、「機械であるはずの味方の合体ロボが兄弟」「シリアスであるはずの悪のボスがドジなお笑いキャラ」という突飛な設定を盛り込み視聴率が低迷。当時のスーパー戦隊シリーズ全体の最低視聴率(1.8%、ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、「不人気に拍車をかけた」と紹介された。マンネリ期の残り2作である『ジェットマン』および『ジュウレンジャー』では『ファイブマン』の失敗を活かし、シリーズを再び盛り上げた立役者であると紹介された。
だが、この『ファイブマン』に対する不憫すぎる扱いに、ネットのファイブマンファン達の間では「あまりに扱いが不当過ぎる」「完全に他のシリーズの当て馬にされている」「ファンもいるのに、この扱いは許せない」と非難の声が相次いだ。
また、『ファイブマン』が当時のシリーズ最低視聴率を記録したのは事実であるが、前作(『高速戦隊ターボレンジャー』)の途中より、毎週土曜18:00の放送から毎週金曜17:30へ放送時間が移動したため、「視聴率の低下は当たり前」といった声があったほか、対抗する裏番組が高橋留美子原作の人気アニメ『らんま1/2熱闘編』(フジテレビ系)であったために「裏番組が強力すぎた」という致し方ない事情もあったという。なお、一時は低迷していた『ファイブマン』の視聴率も番組中盤には13%に戻っているというデータもあり、「完全な失敗作ではない」と力説するファンは多い。
さらに、途中で『ファイブマン』のメンバー紹介が行われた際、講師役の川島が主役のファイブレッドに変身する星川学(ほしかわがく)を「ほしかわまなぶ」と間違えて紹介するなどミスもあり、ネットでは「あまりちゃんと調べてないのでは?」「印象だけで語っている気がする」といった声が相次いでいた。
「しくじり講義」では、「マンネリを乗り超えて大きく飛躍した」と締めたが、ファンはあまり納得しない形で終わったようだ。