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感染者減らずロックダウン中も“コロナ差別”はない? ドイツ、感染者自ら情報共有する場面も

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 変異種が世界中で見つかるなど、新型コロナウイルスの猛威はとどまることを知らず、日本でも感染者数や死者が出続けている。そんな中、日本国内のネット上では「私が看護師であることから、息子が学校でコロナのリスクがあると思われ避けられている」「自分が看護師という理由で、学校の親の集まりへの出席を考えてほしいと言われた」など、家族に医療従事者がいる子どもや親が差別を受けたという例が報告されている。

 新型コロナウイルスの感染者が急増しているヨーロッパの中でも、特に感染者、死者が増えているドイツでは現在、厳格なロックダウンを敷いているが、学校などでの“コロナ差別”は日本ほどないという。ここ数日のドイツは人口約8302万人に対し、1日の新規感染者数は1万〜1万5000人程度、1日の死者数は1000人前後だ。レストランなどのお店は閉まり、外出も1世帯プラス1人まで、マスクの着用義務はあり、医療用マスク以外は認められないという州もある。このように、ドイツでは緊迫した状況が続いているが、だからといって学校や学校に通う子どもの親同士で差別は生まれてはいないようだ。

 現在、ドイツでは小学校から大学まで全ての学校は閉鎖。保育園や幼稚園も基本的には閉鎖されているが、保育園や幼稚園に限っては、親が共働きでどうしても自宅で子どもの世話ができない場合、申請すれば預けることができる。親が医療関係者で子どもを預けているケースもあるが、別の親が医療関係者の親を差別することはあまりないそう。むしろ情報が聞けることに感謝している親の方が多いという。

 ドイツ在住で3歳の娘を持つ日本人の母親は「娘が通う保育園に看護師の母親がいるが、別の親から『今、感染者は増えてる?』『どんな症状が出たら病院に行くべき?』などとよく質問されている」と話し、差別とは無縁であると明かす。なお、家族に医療従事者がいる子どもも差別されることはなく、親が医療従事者であることがわざわざ話題に出ることもないという。「医療従事者なら毎日のように病院でPCR検査を受けているし、手洗いにも気を遣っているはずと考え、逆に安心と思う親の方が多いように思う。医療従事者の子どもだから、あの子とは遊んじゃダメ、なんて話は聞いたことがない」そうだ。

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 また、保育園や幼稚園では送り迎えの際、他の親と会うことも多いが、新型コロナウイルスに感染したという親に会うことも珍しくはなくなってきた。しかし、感染した親はそれを隠すことはない。どちらかというと、完治後に再び送り迎えに来た際、ほかの親と情報を共有している。

 2歳の子どもを保育園に預けているというドイツ在住でドイツ人の母親は、子どもの送り迎えの際、新型コロナウイルスに感染していたと話す何人かの母親に会ったという。そのうちの一人の母親は「最初は頭痛がしたけど、病院にすぐ行かなくて悪化した。少しでもおかしいと思ったらすぐに検査すべき」「検査して、すぐに夫と子どもと離れるべき。症状は軽度だったけど、結局、夫と子どもも感染していた」などと自身の経験から言えることを伝えていたそうだ。周りの母親も質問をするなどして、「感染経験のある母親に感謝しながら話を聞いていた」という。

 さらに、遠方に住んでいることやリスクがあることを考慮すると、親が感染した場合、子どもを祖父母に預けることは難しいが、そのための備えをしている人も少なくはない。8歳の息子を持つドイツ人の母親は、小学校が同じの別の母親から「もし自分が感染し、息子が陰性だったら、息子を預かってほしい。逆の場合はうちが預かる」と言われ、快諾したそうだ。ドイツ人の母親は「自分の身内は遠くにいるので頼れず、万が一を考えたら安心。こういったネットワークがあるのはありがたい」と話す。さらに「タイミングなどでその親に預けることが難しい場合も考え、念のため、前もってすぐに息子を預かってもらえるベビーシッターを手配済み」だそう。ベビーシッターはインターネットに書き込みをし、見つけたそうだ。

 感染者数や死者数の推移を見る限り、ドイツの新型コロナウイルスの状況は日本よりも深刻と言えよう。だが、“コロナ差別”を心配している人は少ないようだ。

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