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マッチ不倫報道でメディアの“忖度”が物議 日常生活でも無意識的に行っている“忖度”の正体とは

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 12日発売の『週刊文春』(文藝春秋)で25歳年下の女性社長との不倫疑惑が報じられた、ジャニーズ事務所所属タレントで実業家の近藤真彦。芸能人の不倫報道といえば、週刊誌に続いて続々とワイドショーなど情報番組が取り上げるというのがよくある流れだが、今回は少し違った。

 週刊誌報道から3日が経過した15日、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が『ワイドナショー』(フジテレビ系)の中で、近藤の不倫疑惑がなかなか情報番組で報道されないことについて、「もうちょっと平等に扱うべき」「長い歴史の中で、大手事務所をスルーしましょうっていうのが、各局染みついちゃってて」などと言及した。

 ​>>松本人志、ジャニーズに忖度なしで好評? マッチ不倫報道の前から独自の発言<<​​​

 ジャニーズ事務所といえば、国内の芸能界では言わずと知れた大手芸能事務所だ。ジャニーズタレントに関するこれまでの不名誉な行動に関する報道は、近藤に限らず、メディアの「忖度」によって抑制されていると感じられる場面が確かにあった。

 ジャニーズはなぜ忖度されやすいのか?その理由は、忖度する時のメカニズムを理解すれば見えてくる。

 「忖度」という言葉は、過去の政治問題で頻繁に使用されたことをきっかけに、どこか含みを持った悪いイメージとして捉えられることが多いが、本来は「他人の気持ちを推し量る」というシンプルな意味を持つもので、それ自体は悪いことではない。

 忖度するというような、相手の立場に立って考えるという機能は、「心の理論」とも呼ばれ、人が成長する過程で獲得していくものと考えられている。心の理論をどれだけ有しているかは、個人の性質や生育環境によって差がある。相手の気持ちや立場について考えることが多かった人や、その考えが正しかったかどうか確認する機会が多かった人ほど、この能力が高くなる。

 忖度をする理由として考えられる心理の働きには、共感性・承認欲求・自己保身などがある。
 例えば、長年の親友など、まるで自分のことのように相手のことを考えられるような「共感性」が強く働いている場合、それは忖度しやすい関係性といえる。親友と第三者の間で起こったもめごとを相談された時、優先的に親友の肩を持つ場合がこれにあたる。

 また、相手に利益をもたらすことによって、相手から自分の価値を認められたいという「承認欲求」が関わっている場合もある。例えば意中の異性に対して忖度する時は、少なからず相手にとって自分の価値を認めてほしいという動機が関わっているものだ。

 さらに、社会的立場を守りたいという「自己保身」的な動機もある。例えば、降格を恐れて上司に忖度したり、契約を順調に進めるために取引先に対して忖度する場合などがこれにあたる。

 いずれの忖度も日常的に見られるもので、特にどれが悪いというわけではない。時には複数の動機が同時に働く場合もある。

 忖度することによって第三者に違和感を与えるケースというのは、承認欲求や自己保身などの個人の利益に関わる動機があからさまに強く表れている場合や、多数の第三者から見て忖度すべき対象を誤っていると判断された場合である。

 忖度したことで世間に違和感を与えれば、世間から反感を買う原因になってしまう。逆に言えば、忖度する相手を見誤ることなく、より多くの人に対して好感の持てる忖度ができる人は、世渡り上手な人と言うことができるだろう。

 とりわけテレビメディアで華々しく活躍し、大きな勢力と多くのファンを抱えているジャニーズ事務所だが、そんな事務所と忖度のメカニズムを合わせて考慮すれば、むしろテレビ関係者が忖度しない方が不自然なのである。

 しかしながら、ファンでもなく利害関係のない世間一般の層から見ると、やはり違和感はぬぐえない。今回の松本の指摘は、そんな世間の声を代弁したものだった。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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