今回の放送に電話で生出演した江本氏は、同日に行われ「3-0」で広島が勝利した広島対中日戦について解説。議論のきっかけとなったのは、同戦に先発し「8回無失点・被安打7・四球1・7奪三振」で10勝目を挙げた広島・森下暢仁の新人王についての発言だった。
同戦を含めここまで「10勝3敗・防御率1.91・124奪三振」といった成績をマークしているプロ1年目・23歳の森下は、「8勝6敗・防御率2.92・97奪三振」といった数字を残す巨人のプロ2年目・20歳の戸郷翔征と新人王争いを展開中。だが、江本氏は同戦の投球を受け「新人王に“近づく”ではなく、新人王は“獲った”(と言っていい)」、「内容的にも、今時(ルーキーが)10勝するのは大変ですから。やっぱり今年は森下でしょう。間違いないでしょう」と、森下の新人王は当確と強く主張した。
また、対抗馬の戸郷については「ちょっと(調子が)下がってきましたよね」とコメント。戸郷は9月27日対中日戦を最後に現在まで4戦連続勝ちなしと苦しんでいるが、この点も踏まえて森下がかなり優位な状況だと指摘した。
江本氏のコメントを受け、ネット上には「戸郷は8勝で森下は10勝、勝ち星を考えたら森下に分がある」、「白星以外の数字も軒並み上回ってるから確かにもう当確と言ってもいいかもしれない」、「規定投球回もクリアしてるしさすがに森下で決まりだと思う」といった反応が多数寄せられている。
一方、「エモやんがここまで言ってくれるのは嬉しいけど、やっぱりタイトル獲らないと確定ではない気がする」、「獲れるかどうかはタイトル次第だろ、佐々岡(真司)監督もそれで新人王譲ってるし」との反発も複数寄せられるなど議論が飛び交っている。
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「新人王は“支配下に初めて登録されてから5年以内”、“投手なら前年までの一軍投球回数が30イニング以内、野手なら60打席以内”といった条件を満たす選手のうち、記者投票で最も多くの票を獲得した選手がセ・パそれぞれ1名ずつ選出されるタイトル。森下は現在勝ち星をはじめ防御率、勝率、奪三振などで戸郷を上回っていますが、“戸郷の方が3歳若い”、“戸郷は優勝争いの中で白星を挙げ続けた”、“両者は援護率(森下5.09/戸郷3.62)に差がある”といった部分が記者投票で不利に働く可能性もゼロではありません。そのため、何らかの投手タイトルを獲らない限り確定とはいえないと危惧しているファンも少なくないようです」(野球ライター)
新人王については、現在広島を指揮する佐々岡監督が新人時代の1990年に『13勝11敗17セーブ・防御率3.15』といった成績を残すも、『4勝5敗31セーブ・防御率3.26』で最優秀救援投手に輝いた中日・与田剛(現中日監督)が選出されるなど、成績以上にタイトルが得票数に影響を及ぼしたケースもある。今回の森下についても、タイトルの有無が戸郷との明暗を分ける可能性はありそうだ。
現在トップの中日・大野雄大と0.002差で、防御率2位につけている森下。最優秀防御率のタイトルは十分射程圏内なだけに、残りの試合では佐々岡監督の起用法にも注目が集まりそうだ。
文 / 柴田雅人