問題となっているのは、「0-1」とソフトバンク1点ビハインドで迎えた9回裏の采配。この回ソフトバンクは一死二、三塁のチャンスを作ると、工藤監督はここで代打に川島慶三を起用。一打出ればサヨナラのチャンスだったが、ここまで5イニングで得点圏のチャンスをフイにしていることを考えるとスクイズも十分に考えられる場面だった。
ただ、工藤監督は特にスクイズなどの策を取ることはなく、結果川島は空振り三振。後続もランナーを返すことができず無得点に終わり、結局「0-1」で完封負けを喫する形になった。
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工藤監督の采配を受け、ネット上には「得点圏打率1割の川島に何で打たせたんだ」、「ここまで点取れてないんだからスクイズするべきだった」、「三塁ランナーは足速い周東(佑京/17盗塁)だからスクイズする価値は十分あったと思うんだが…」といった反応が多数寄せられている。
一方、「川島の犠打数考えたら別に間違ってないだろ」、「スクイズと比べたら打たせる方がまだマシだったと思う」といった批判に対する苦言や反論も複数見受けられた。
「これまで日本ハム(2006-2007)、ヤクルト(2008-2014)、ソフトバンク(2014-)でプレーしている36歳の川島は、今シーズン打率は『.250』と2割中盤ですが得点圏打率は『.120』と1割台前半に低迷。そのため、普通に打たせるよりスクイズの方が得点の期待値が高かったと考えているファンは少なくないようです。ただ、川島は今シーズンを含めプロ15年間で通算75犠打、2014年7月のソフトバンク移籍以降は18犠打しか記録していない選手。もし仮にスクイズを仕掛けていたとしても、成功する可能性は決して高くはなかったとも思うのですが…」(野球ライター)
試合後、工藤監督は「このようなギリギリの戦いが、チームにとって血となり肉となる」と前向きにコメントしたことが伝えられている。敗戦により2位ロッテとは1ゲーム差となったが、今回の采配を今後につなげることはできるだろうか。
文 / 柴田雅人