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お化け屋敷、ミラーハウス・・・としまえんに残る怪談

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 2020831日、日本で最古の遊園地のひとつである「としまえん」が惜しまれつつも営業終了した。大正15(1926)年9月に部分開園し、94年にわたって多くの人々を楽しませ続けてきたことになる。
 室町時代に築城された練馬城址が明治時代後期に豊島公園となり、その後大衆向けの景勝地として整備され「豊島園」となった。以後、太平洋戦争中に一時閉園となるも、戦後は日本初のウォーターシュートや世界初の流れるプールなど、様々な仕掛けを取り入れ人々に親しまれる遊園地となっていた。

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 さて、としまえんはかなり歴史のある遊園地であるがゆえ、いわゆる「遊園地怪談」も多くささやかれていた。
 有名どころでは、「お化け屋敷の火の玉」「ミラーハウスの怪」だろう。お化け屋敷は遊園地には欠かせない。としまえんは最近よくある人間が脅かすタイプではなく、センサー式で仕掛けが動くタイプなのだが、ここでは昔から「本物の火の玉が飛んでくる」と噂されていた。あまりにも噂が広まりすぎて、新聞にも取り上げられたという。

 また、全面が鏡になった回廊を歩く「ミラーハウス」では、「鏡の中にそこにいないはずの少女が写り込み、こちらをにらんでくる」「ミラーハウスの中を逃げ回っていると異次元の鏡の世界に連れ込まれる」という噂があった。こちらは「合わせ鏡の怪談」などの都市伝説と組み合わせられて生まれた点もあるのかもしれない。普通の家にも鏡はあれど、姿見がない家は少なくない。ましてや鏡の回廊もあるはずがない。一番「異界」を感じる空間だからこそ、ミラーハウスにまつわる都市伝説が生まれたのではないだろうか。

 だが、「普通のお化け屋敷の怪談やミラーハウスは序の口で、本当の心霊スポットは西洋お化け屋敷だ」という噂もある。こちらは1990年代で閉鎖されてしまったアトラクションであり、本来は西洋風のウォークスルー型のお化け屋敷だったという。しかし、子どもたちを中心に「幽霊を見た」という噂が相次ぎ、さらには奇妙な出来事も相次いだため、そのまま廃止となってしまった不幸なアトラクションだ。

 しかし奇妙な点がある。奇妙な噂が立って封鎖された後、建物はそのまま残されているのだ。中身を変えたり、建物を取り壊したりといったこともなく、立ち入りを禁止する目的でカラーコーンによる封鎖が行われているのみ。結局西洋お化け屋敷はそのまま閉じることとなった。実際には事業用の施設として利用されていたそうだが、外観もある程度残されていたことから、「取り壊したりできないほどの怪現象が起きたのでは」「西洋お化け屋敷で利用されているのは1階のみ、2階は封印されていて誰も入れない」という都市伝説がまことしやかにささやかれている。

 これら「としまえんの怪談」は全て都市伝説、遊園地怪談の原型とも言われているが、ネット上では「実際に心霊体験をした」という人や、過去に中でバイトしていた人が奇妙な体験をした、と語ることもある。もしかすると、都市伝説や噂の背後にはいくらかの真実もあったのかもしれない。

(山口敏太郎)

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