発端はTwitterにアップされた、あるつぶやきと画像だった。画像はフライトレーダーアプリのもので、成田空港の滑走路付近に旅客機が写っている。その飛行機はJL123/JAL0123ということで、日本航空の123便であることが分かる。
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この時点で何かがおかしいと気がついた人もいるのではないだろうか。実は日本航空の123便は存在しない。欠番の旅客機なのだ。
1985年8月12日、羽田空港から大阪の伊丹空港に向けて飛び立った日本航空123便は途中、群馬県の高天原山の尾根(通称・御巣鷹の尾根)に墜落。乗組員、乗客の大半が死亡する凄惨な航空機事故となった。日本航空123便墜落事故である。それ以来、日本航空123便は永久欠番となっている。今回フライトレーダーアプリに記録されたJL123/JAL0123は、本来なら存在しないはずの飛行機だったのだ。
ちなみにこの123便は成田空港を8月6日午前0時半に離陸しており、到着予定地は「N/A(該当なし、not applicable)」となっていた。その後、同0時43分には姿を消したそうだが、履歴はきちんと残っており現在でも確認ができる(なお、その履歴は成田空港に発着したように受け取れる内容だった)。
果たして、レーダーアプリにだけ出現したこの「日本航空123便」の正体は何だったのだろうか。過去にもレーダーアプリ上にJL123/JAL0123が登場したことが何度かあったこと、また到着予定地が「N/A」と表示されてしまうことは少なくないそうで、機体番号の誤入力や誤認識ではないかとみられている。しかし1週間ほど早いにせよ、凄惨な事故が起きた時期とそう離れていないだけに、ネット上では様々な憶測が飛び交っていた。
あの日本航空123便墜落事故が起きてから35年が経つ。もしかすると、あの悲劇を忘れてはいけない、ということなのかもしれない。
(山口敏太郎)