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北朝鮮 金正恩委員長また雲隠れ「深刻な容態」

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提供:週刊実話

 公の場に姿を見せず“死亡説”が出回っていた北朝鮮の金正恩党委員長。生存が確認された後、またもや姿を消しての繰り返し。

「ロイター通信は正恩氏が4月から5月23日までに公の場に姿を見せたのは4回しかなく、昨年の同時期には27回もあったと指摘しました。それほど表に出ていないのです。5月24日の国営朝鮮中央通信は『労働党中央軍事委員会拡大会議が開かれ、正恩氏が核抑止力を一層強化するよう指導した』と伝えましたが、映像は流れていません」(北朝鮮ウオッチャー)

 出回った「死亡説」はガセネタだったが、「重体説」までは否定できていないという。

「正恩氏は最高指導者になって10年が経過しますが、2013年7月頃から体重は目に見えて増えています。韓国の国家情報院も身長が170センチ弱しかないのに’12年に90キロ、’14年には120キロ、そして最近では130キロを超えたのではないかと指摘しています。’14年には肥満によって下半身に不調が現れたのか、杖をつきながら公開活動をする様子が確認できる上に、心臓に疾患を抱える家系でありながらヘビースモーカーですから、心臓がいつまで持つか疑問です」(北朝鮮に詳しい大学教授)

 米国の対北朝鮮専門メディア『NKニュース』は肥料工場を訪問した際、右手首に黒っぽい色の点が確認され、カテーテルによる心血管系の手術か治療と関係があるかもしれないと報じている。
「視察時の正恩氏の肉声も報じられていませんからね。正恩氏の重体説は、完全な誤報とは言えないのではないでしょうか」(同)

 あるいは新型コロナウイルスの影響を考慮して視察などを抑えているのかもしれない。

「北朝鮮は感染者を処刑するなど、強硬な新型コロナ対策を取っている。ただ、咸鏡北道の吉州郡では、5月1日の時点で40人以上が新型コロナと疑わしき症状が出ているといわれています」(前出・ウオッチャー)

 現在の北朝鮮のこうした事情から、米朝間の対話路線は勢いを失い、両国の関係は新たな段階に移行する可能性が高くなっているという。

「エスパー米国防長官は5月4日、米国ブルッキングス研究所が主催した会議に出席し、『朝鮮半島に必要なら、今夜にでも戦う準備態勢を維持している』と語っています。この言葉を裏付けるように、米軍はコロナ感染で機能不全に陥っていた原子力空母を再整備し、東アジアに再び兵力を集結し始めている。注目すべきは正恩氏が枕を高くして眠れなくなるほど恐れるB-1B爆撃機4機がグアムに配置され、B2爆撃機も西太平洋に飛来していることですが、不可解なのは、こうした米軍の軍事パフォーマンスに対し北朝鮮が無反応で、いつものように非難する声明を出していないことです。正恩氏の容態がよっぽど深刻なのかもしれませんね」(軍事ライター)

 もしもの場合「白頭山の血統」の中で正恩氏の後を継ぐとすれば、正恩氏の兄の金正哲氏、叔父の金平日氏、そして妹の金与正氏ということになる。正恩氏の3人の子供は10歳以下であり、指導者となるには幼すぎるからだ。

 また金正恩氏の元カノだった玄松月党宣伝扇動部副部長には正恩氏との間に“隠し子”がいるとされ、後継者候補に含まれる可能性も排除できない。

 そして正恩氏によって暗殺された金正男氏の長男、金漢率氏も今は息をひそめている。家父長制の意識が根強い北朝鮮では、漢率氏がもっとも正当な「白頭山血統」といえる。

「故・金正日氏が28歳で指導員から課長と段階を踏んで副部長になっているのに比べ、与正氏が若干27歳でいきなり党副部長に抜擢されたのは明らかに異例の出世です。’17年10月には一気に政治局員候補に選出され、肩書の上でも30人しかいない党最高幹部の一員になった。正恩氏は、明らかに後継は与正氏と考えている。幹部もそれは認めているようです」(前出・大学教授)

 ただ、与正氏が仮に後継者になったとしても、いかんせん補佐する実力者がいない。

 正日総書記の葬儀で霊柩車に付き添った軍の秘密警察幹部は、全員1年も経たずに失脚させられた。これらの粛清を仕切ったのは、直接の白頭山血統ではないが、最上の地位にいた張成沢国防委員会副委員長で、正恩氏の後見人として権力を誇示していた。しかし、’13年に処刑されてしまっている。

「正恩氏の権力掌握術はきわめて非情です。その手法は、強力な実力者に体制内粛清をやらせて、その後にその実力者本人を粛清するというものです。それが結果的にナンバー2がいない現状を招き、現在、長期間高位者として生き残っている唯一の人物と言っていいのが崔竜海党副委員長です」(同)

 しかし、正恩氏は彼を実力者とは見ていないという。

「女癖も悪く、正恩氏の命令で頻繁に降格や昇格を繰り返しているのが何よりの証拠です。ですから、仮に正恩氏が機能不全に陥り、与正氏が世襲することになったとしても、いきなりその地位を奪おうと宮廷内クーデターを謀りそうな人物が見当たらない反面、与正体制の後見人として党・軍を掌握できる人物もおらず、新体制は脆弱と言わざるを得ません」(同)

 北朝鮮は依然、正恩氏も体制も容態が悪い。

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